遊休地に放牧された豚。従来廃棄していたとみつ金時の端材を餌にして育て「あわらポーク」としてブランド化を目指す=29日、福井県あわら市北潟

 福井県あわら市特産のサツマイモ「とみつ金時」の生産農家が共同出資して設立した「とみつ」(同市北潟、吉村智和社長)が29日、放牧した豚の餌に、とみつ金時を与えるプロジェクトを始めた。放牧することで獣害防止が期待でき、規格外で従来廃棄していたとみつ金時を餌に活用して地域循環型の農業を推進する。将来的には育てた豚を「あわらポーク」としてブランド化を目指していく。

 この日は、同市富津地区の遊休地2カ所(計5千平方メートル)に、越前市白山地区から仕入れた生後4カ月の豚を5頭ずつ放牧した。豚飼育の技術的な支援を行う県畜産試験場によると、サツマイモを主な餌にした放牧豚は全国的にも珍しい試みという。

 「とみつ」は富津地区の若手生産者5人でつくる「エコフィールドとみつ」のメンバーが4月に立ち上げた。福井銀行芦原支店が、富山県で放牧豚にエゴマを与える取り組みを知り、あわら市、県と連携しながら、とみつ金時を活用した肥育の事業化を提案した。この事業を通し、農家の後継者不足に伴う耕作放棄地対策にもつなげてもらう。

 吉村社長によると、地区内の農地で昨年初めてイノシシ被害が確認され、今年は被害が拡大している。「今後被害が増えるのは間違いなく、農家にとっては死活問題。豚の放牧で獣害を阻止したい」と説明する。3年ほどかけて効果を検証し、地区を囲うように10カ所程度まで放牧地を増やしていくという。

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