二○○四年七月の福井豪雨で被災したJR越美北線が三十日、ほぼ三年ぶりに全線で運転を再開した。列車には、復旧を待ちわびた住民や鉄道ファンが大勢乗り込み、久しぶりに車窓から眺める足羽川や深緑の風景を楽しんだ。沿線の福井市と大野市の主要駅では住民挙げての記念イベントが催され、多くの市民がレールの復活を祝った。

 出発式は美山駅で午前七時半から、越前大野駅で同九時四十分から行われた。県、福井市、大野市、JR西日本の関係者がそれぞれ出席。テープカットやくす玉を割って運行再開を祝福し、福井行きの列車を見送った。


 豪雨災害前と同じ一日に上下各十本(福井発着は各九本)運行される列車には、次々に乗客が乗り込み、ほぼ満席の状態。三十日と一日の二日間限定の臨時列車で、旧国鉄カラーの「おくえつ号」は200%を超える乗車率となった。


 大野市学びの里「めいりん」では「越美北線と乗合バスに乗る運動を進める会」主催の全線復旧記念式典が開かれた。会長の岡田高大大野市長や西川知事は「沿線関係者の願いと力によって被災から三年を待たずに復旧できた。大野と県都を結ぶかけがえのない財産を守るため、復旧を新たなスタートとし、利用促進に取り組む」などとあいさつし、乗る運動への決意を述べた。


 JR西日本の山崎正夫社長は「利用促進に向けた沿線のみなさんの支援には頭が下がる。愛される鉄道にしたい」と述べた。福井豪雨時に、大野市で復旧作業に当たった陸上自衛隊第一○音楽隊の演奏が式典に花を添え、坂川優福井市長の音頭で万歳三唱、復旧の喜びをかみしめた。


 代行バスの乗換駅となっていた美山駅前では、同地区挙げての記念イベントが、越前大野駅前では「名水特産市」が開かれた。沿線住民からは「ホッとした。便利になります」「これまでより積極的に利用したい」と笑顔がこぼれた。
 

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