年間を通して越のルビーの安定した収量を確保するハウス=27日、福井県美浜町

 福井県美浜町の農業生産法人「無限大」が運営する大規模園芸ハウスの開所式が27日、同町興道寺で開かれた。ハウス環境を全自動で管理する最新技術を活用し、ミディトマト「越のルビー」を栽培。LED照明を使って日照不足を補い、年間を通して安定した収量を確保する。

 県の「自然光利用型の連棟ハウス整備事業」を活用し鉄骨ハウス4棟を整備。総事業費は約2億4800万円で、国と県、町が総額1億6千万円を補助。生産面積は県内最大の約6千平方メートルで、栽培作物には消費機会が多く市場評価を受けやすいことから、強い甘さが特徴の越のルビーを選んだ。

 各ハウスには水に肥料などを混ぜた培養液が流れる「栽培ベンチ」を7列設置し、水耕栽培を行う。約10カ月間継続して収穫が可能で、二酸化炭素濃度を高める光合成促進機や暖房機、カーテンなどは、適した環境になるよう全自動で作動。ハウス内の状況はスマートフォンなどで確認でき、データを蓄積することで栽培計画に反映できる。

 7月下旬には、ハウス内に長さ2・5メートルのフィリップス社(オランダ)製LED照明ユニットを938本設置する。冬季や曇天時の日照不足を解消し、LED照明がない場合と比べて最低でも1・2倍の収量を確保できる試算で、年間90トンの収穫を目標にしている。町によると、施設全面でLED照明による補光をするのは国内で初めて。

 開所式には西川一誠知事や山口治太郎町長ら約50人が出席。木子博文社長(55)は「単なる生産施設でなく、新たな技術開発を担う農場にしたい」と決意を述べた。

 7月下旬に苗を定植し、9月中旬ごろに初出荷を迎える。ハウス責任者の池野和美さん(40)は「日本一甘いトマトを栽培したい」と意気込んでいる。

関連記事