渕上隆信市長に現在地での建て替えを求める決議で、賛成起立する議員=26日、福井県敦賀市議会本会議場

 福井県敦賀市庁舎の建て替え候補地を巡り、敦賀市議会は26日の定例会最終日の本会議で、候補地2案のうち現在地での建て替え案で早急に決定し、手続きを速やかに進めるよう、渕上隆信市長に求める決議を賛成多数で可決した。本年度一般会計6月補正予算案から、候補地選定の関係経費468万円を削除する修正案も可決。これを受け渕上市長は「議会の決定を重く受け止め、民意と解する」と述べ、現在地で建設を進める考えを表明した。

 国の財政措置を得るため選定期限を9月に設定する中、3月定例市議会で渕上市長が現在地案に加えて市プラザ萬象敷地への移転案を表明して以降、住民説明会などで市民を巻き込んだ議論は、市の進め方に反発した市議会の予算修正動議と決議という異例の展開で、約3カ月で決着した。

 決議は、最大会派市政会の有馬茂人会長を提出者に、無所属以外の4会派の代表が賛成者として提出。5月に行った住民説明会での市民388人のアンケート結果で現在地案への支持が59%と、萬象敷地案の28%を大きく上回ったことや、国の財政措置を望む市民意見が多かったことなどを踏まえ、「現在地が候補地に最もふさわしいと結論付ける」とし、渕上市長に手続きを進めるよう求めた。採決の結果、19対3の賛成多数で可決した。

 渕上市長は閉会のあいさつで、補正予算で追加の3千人アンケートなど候補地選定関連経費が削除されたことに「広く市民の意見を聞く機会を失い残念」としつつ、「議会の決定を重く受け止め、議会制民主主義の趣旨に基づき、現在地での建て替えを進める」と話した。

 現在の市庁舎は1974年に建設。2011年度の耐震診断で震度6強で倒壊の恐れがあるとの結果を受け、市は昨年度に建て替え方針を打ち出した。現在地案の新庁舎は概算で延べ床面積1万平方メートル、費用は50億円。国の財政措置の適用で11億円が交付税で支援され、本年度中に基本構想、来年度に基本設計、20年度に着工し21年度に完成する計画を示していた。

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