過去5年の主要違反事項の推移

 福井労働局は2016年の県内事業場に対する監督指導の結果をまとめた。労働基準法などの違反があった事業場のうち、違反事項別では違法な時間外・休日労働など「労働時間」が270事業場(違反率26・9%)で最多だった。労働時間の違反率は前年の21・5%から大きく上がり、最近5年間で最も高くなった。県内の有効求人倍率が高水準で推移する中、同局は「人手不足の影響が考えられる」と指摘している。

 相談や通報などを踏まえ、県内4労働基準監督署が監督指導を実施したのは1002事業場に上り、このうち72・1%に当たる722事業場で違反があった。全国の違反率(速報値)は70・8%で、県内はやや上回った。

 労働時間の違反に関し、同局が月80時間を超える残業の疑いがある約270事業場に「残業が発生する理由」を聞いたところ、約半数が「人手不足」と答えたという。業種別で、労働時間の違反の割合が特に高かったのは運輸交通業。同局は「荷主企業との関係から、運送事業者の自助努力だけでは労働時間の短縮が進まない実態がうかがえる」とみている。

 主な違反事項別ではこのほか、残業代の未払いなど「割増賃金」が237事業場(違反率23・7%)、年1回の健康診断の未実施など「健康診断」が230事業場(同23・0%)、雇い入れ時の労働条件の文書未交付など「労働条件の明示」が140事業場(同14・0%)などとなった。

 違反があった事業場を業種別でみると、製造業が264事業場で最多。建設業が129事業場、小売業など商業が127事業場、介護施設など保健衛生業が53事業場、飲食店など接客娯楽業が48事業場、トラック運送など運輸交通業が36事業場と続いた。

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