設置を目指しているベンチで語らう林さん(右から2人目)ら=福井県越前市

 社交の場でもあった地元の商店が減っていく中で、人が集い語らう場を再びつくりたいと考えた福井県越前市の男性が、男性が住む町内にベンチ10台の設置を目指すプロジェクトを立ち上げた。インターネットで資金調達するクラウドファンディングで支援を募っている。

 男性は3月まで区長や南中山公民館長を務めていた林直樹さん(60)。かつてこの町内には食品や洋装、雑貨などの店が40軒ほどあり、近所の人が自然に集まり会話を交わす場になっていた。

 しかし、高齢化や過疎化により今では10軒ほどに減少。ベンチを置くことで、町内におしゃべりする空間ができ「散歩するお年寄りが増えたり、学校帰りの子どもを見守る地域の人が増えたりするのでは」(林さん)と計画を発案した。

 クラウドファンディングのサイト「レディーフォー」で、19日から8月3日まで50万円を募っている。資金で木製ベンチを10台購入し、町内の商店などの前に設置してもらう考えだ。

 賛同してくれた人には、出資額に応じた返礼品を贈る。越前和紙を使った感謝状や一筆箋(せん)、ベンチを製造する同県池田町の工房による木製キーホルダーなどを用意しており、5万円以上の出資者にはベンチの命名権が与えられる。目標金額に達しなかった場合は、各出資者に返金する。

 公民館長時代の経験も踏まえ、できるだけ補助金に頼らない形での地域活性化を目指そうとクラウドファンディングを選択した。「町内にベンチを置くことで、話し声や笑い声が常に聞こえてきた昔の姿に近づけたい」と話している。

関連記事
あわせて読みたい