古民家が連なる越前和紙の産地で外国人女性を案内する畑勝浩さん(左)=福井県越前市

 越前和紙の産地の福井県越前市五箇地域は、瓦屋根と白壁の民家が軒を連ねる景観が味わい深い。民家に交じって手漉きの工房が点在し、暮らしと産業が一体となった地域だ。今年1月に訪れたオーストラリア人女性が、その町並みの風情にまず心打たれたと聞き、ローカルの強みをあらためて認識した。「土地ならではの文化や風土に触れられたときに、来てよかったと思ってもらえる」と話すのは、バックパッカーとして世界を旅し、外国人客の地元訪問をボランティアでサポートしている写真館経営の畑勝浩さん(52)=越前市。福井新聞まちづくり企画班のサイト「ECHIWA」の取材が縁で、今回の外国人向けツアーのガイド役を依頼した。

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 畑さんの外国人受け入れでは、製紙所や施設見学だけでなく、地元のそば屋なども要望に応じて紹介する。目的地への道中で農作業風景に関心を示されたこともあったという。「日本人の感覚で地域を見ているから、魅力が見えてこないだけ。外国人にとっては、何げない日常が面白い」。畑さんが実感を込めるように、ツアー企画では参加者にできるだけ産地のありのままの空気感に浸ってほしいと考えた。

 メインの紙漉き体験は、梅田和紙(越前市)の協力を得て、閉鎖となった工房を借りる。実際に職人が作業していた空間と道具を使い、観光だけでは触れられない「本物」の和紙作りを実感してもらう。岩野平三郎製紙所とやなせ和紙の工房2カ所は、時間内は自由に出入りできるようにして、町並みを散策する機会をつくった。昼食は円成寺の本堂で。少人数だからこそできる行程を通して、地域をよりディープに味わえる体験を提供したい。もう一人のガイド役で米国在住経験があるデザイナーの三木あいさん(38)=越前市=は、今回のツアーを受け入れ側が学ぶ場ともとらえている。「外国人がローカルのどんなところを楽しむのかを福井の人が発見する機会にしたい」

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