気温上昇を招くフェーン現象(福井新聞紙面より)

■「台風」と「フェーン現象」の由来は?

 私たちの周りには外来語が氾濫しています。気象界も例外ではありませんが、先輩たちは見事に日本語に変換しました。そのうちいくつか紹介しましょう。

 「台風」は熱帯で発生する低気圧が発達して最大風速17メートル以上になったときの呼び名です。台風は「typhoon(タイフーン)」の当て字です。「台の風」では凄まじいイメージはありませんが、はじめの頃は颱風と言っていました。颱はタイフーンの「タイ」の音訳字台とからなります。

 春になると「フェーン現象」と言って、山越えの熱風が吹きます。日本海に低気圧があり、それに向かって太平洋の高気圧から風が吹き込むためです。風が脊梁(せきりょう)山脈を越えて日本海側にくる頃は、太平洋側に吹き込んだときよりも気温が上昇します。

 専門用語になりますが、湿潤断熱減率と乾燥断熱減率の違いからこのようになるのです。「フェーン」をある気象学者は「風炎」と訳しました。乾燥した暖かい風が吹くと事物は乾燥し火災が起こりやすくなります。「風炎」の事からは「火の用心」が読み取れます。ヨーロッパ・アルプスで山越えに吹いている暖かい乾燥した局地風を「フェーン」といい、日本はこれを借用したわけです。

 日本での最高気温の極値は山形市の40.8℃(1933年7月25日)で、フェーン現象によるものとされています。

■「メイストーム」は外来語?

 表題の「メイストーム」は「5月の嵐」ですが、外来語ではありません。5月ごろ、日本海や北日本を通過する低気圧が発達して大荒れの天候に急変することがあります。

 1954年5月8日に黄海で発生した低気圧が、翌9日には急速に発達して日本海を北上しました。海上の漁船は避難する間がなく、サケ・マス漁船348隻が沈没・流出して、日本海難事故史上最悪の惨事となりました。

 これがきっかけとなって、日本の気象学者はメイストームと名づけ、その仕組みを研究しました。低気圧の中心気圧が1日24ヘクトパスカル以上下がるのを「爆弾低気圧」といいます。

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