福井県内性犯罪の認知・検挙件数

 性犯罪を厳罰化し、告訴がなくても起訴できる改正刑法が16日成立した。被害者を支援している福井県内の関係者は「これまでなら表に出てこなかった加害者が処罰され、刑期も長くなることで被害減につながる」と評価する声が多い。一方、「大ごとにしたくない被害者もいる」として、捜査、公判などを通じて被害者の思いにこれまで以上に配慮した対応を求める意見も聞かれた。

 強姦(ごうかん)罪は「強制性交等罪」と改称、法定刑の下限が懲役3年から、強盗罪と同じ5年に引き上げられた。福井弁護士会犯罪被害者支援委員会の川上賢正委員長は「被害者の納得する刑罰に近づいた」と評価。性暴力救済センター・ふくい(通称ひなぎく)の細川久美子センター長も、性犯罪は統計的に再犯が多いとし、「被害者を増やさないためには厳罰化はやむを得ない」と語った。

 ただ、強姦罪の成立に必要だった「反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫」は改正後も残った。川上委員長は「程度が軽い暴行・脅迫だと罪にならない。『意に反する性交』を要件にするべきだ」とさらなる見直しを求めた。

 「親告罪」規定の削除により、被害者が処罰を望んでいない場合や、示談金が支払われ告訴が取り下げられた場合でも起訴される可能性がある。犯罪の抑止効果が期待されるが、福井弁護士会刑事弁護委員会の端将一郎委員長は「大ごとにしたくないと、あえて親告しなかった被害が起訴された場合、被害者の心理的負担に懸念が残る」と指摘。被害者に対する十分な配慮、サポートする仕組みがより重要となる。

 親などの「監護者」が影響力を使って18歳未満に性的な行為をすれば、暴行や脅迫がなくても処罰できる「監護者性交等罪」「監護者わいせつ罪」も新設された。同センターには2016年度、10歳未満の6人から相談があり、細川センター長は「新設は当然。被害を繰り返させないため、親と引き離さなければならない」と力説する。

 同センターには男性からの相談も寄せられており、細川センター長は男性を強制性交等罪の被害対象に含めた点にも意義があると指摘した。

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