フリーゲージトレインについて定例会見で「早く結論を」と述べる福井県の西川一誠知事=16日、福井県庁

 福井県の西川一誠知事は16日の定例会見で、新幹線と在来線を直通運転できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発が難航し、JR九州が導入見送りを検討していることを受け「この夏に開かれる国の技術評価委員会で、北陸新幹線への導入の採否を明らかにしてほしい」と注文した。「特急を今後どう運行するかという問題にも関係する。早く結論を出していただくことが、次の課題に取り組むステップになる」と強調した。

 FGTを巡っては、北陸新幹線より先に九州新幹線長崎ルート(博多―長崎)への導入が検討されているが、鉄道建設・運輸施設整備支援機構による開発は難航。国の技術評価委員会は、中断中の耐久走行試験再開の可否を今夏に判断する予定だ。だがJR九州内では開発の遅れへの懸念に加え、複雑な車輪構造に伴う維持コスト高を主な理由に見送り案が浮上している。

 北陸新幹線では、九州用の車両をベースにした寒冷地仕様を敦賀―新大阪が開業するまでの暫定措置として導入し、北陸と関西を乗り換えなしで結ぶ計画がある。しかし九州用の開発が難航しているため、2023年春の敦賀開業時には間に合わず、導入時期の見通しは立っていない。

 JR九州の動向が北陸新幹線敦賀開業後のFGT導入計画に与える影響について、西川知事は国の技術評価委員会による結論を求めた上で「北陸新幹線にFGTを導入するかどうかはJR西日本が判断することになる。JR西も考えを早く明らかにしていただくことが大事」と述べた。

 県が政府・与党に求めている31年春の北海道新幹線札幌開業より早い新大阪までの全線開通が実現すれば、FGT導入が遅れるほどJR西は車両の使用期間が短くなる。JR西の真鍋精志会長は社長当時「10年間とか短い期間だけ運行する車両の開発はあまりない。20年から30年使うのが普通だ」と発言している。

 このため西川知事は「北陸新幹線の全線開業が早くなれば、(FGT車両を)購入したけど、ほとんど収支が合わないということになる。JR西が早く方針を出すというインセンティブが働く」との見方を示した。また「北陸新幹線は雪が降るし、交通量の多い基幹路線。九州よりさらに課題が多い」と指摘した。

 FGT導入計画がさらに遅れたり、断念する事態になれば、その代替措置として敦賀開業後の特急存続を求める動きが県内で活発化する可能性がある。西川知事は「FGTに何か節目がないと、前提がぐらぐらしていてJR西と議論しにくい。結論を極力早く出してほしい」と述べた。
 

関連記事
あわせて読みたい