史上2番目に遅かった一昨年の梅雨入り(05/06/27)

5月から6月にかけては大陸の乾燥した高気圧が順次通過して晴れたさわやかな季節です。ヨーロッパではジューンブライド(六月の花嫁)といって、6月は1年で一番気候がよく、結婚式が盛んに行われる月です。

6月も半ばを過ぎると梅雨入りになります。気象庁は甚大な被害をもたらした現象に名前を付けています。福井と名の付く災害は、昭和23年の「福井地震」と「平成16年7月福井豪雨」です。

福井豪雨は記憶に新しく、未だに復旧補強工事が続いています。梅雨末期の典型的な集中豪雨でした。福井市美山のアメダス観測所は日最大1時間降水量96mmで福井県内各観測所の観測開始以来の新記録でした。

この美山観測所の統計では、日降水量が多い順に10件の内7件が梅雨期です。「前線」は日常語として定着しています。温度差のある気団の境を「前線」と言いますが、この仕組みを解明したのは1919年にノルウェーの気象学者ビヤークネスです。当時は指向線とか陣風線と言っていましたが、第一次世界大戦終結の頃で戦争用語の「前線」を借用したようです。

日本では1950年頃の文献に「ポーラーフロント」を「寒帯前線」と訳したものがあり、前線用語のさきがけになりました。

梅雨の現象は昔から知られており、梅の実の熟する頃の雨だからが一般的です。中国では「梅雨」(メイウ)、韓国は「長霖」(チャンマ)と言っています。アジア南東部独特の季節現象です。アラビア海で夏半年に吹く南西風と冬半年に吹く北東風の季節風を「モンスーン」と言いますが、インドや東南アジアでは、風ではなく南西の季節風がもたらす雨季をさす場合が多いのです。

時期を同じくして梅雨前線が形成されていきます。ヨーロッパから吹いてきた上空のジェット気流がチベット高原で南北に分流し、日本の東海上で再び合流します。そのころ、温暖湿潤な小笠原高気圧と寒冷湿潤なオホーック海高気圧か゛、日本付近でせめぎあい悪天をもたらします。これが梅雨前線です。ジェット気流が北上してチベット高原の分流が無くなると梅雨戦線は消滅すると言う説があります。

このように梅雨は大きな規模の気象現象です。福井の梅雨期の降雨量は年間降水量の2割弱ですが、太平洋側では冬は降水が少ないために年間降水量の3割を越し夏場をしのぐ貴重な水資源です。自然現象は恵をもたらしてくれますが、ときには災害を与える事もあります。備えに怠りが無いようにしましょう。