代表の男性が勝手に一部の印鑑を押していた「森林経営委託契約書」の所有者一覧(画像は一部加工)

 福井森林組合(本所福井市、豊岡北士組合長)が間伐事業をめぐり森林所有者とトラブルになっている問題で、同市安居地区では組合との委託契約書に、所有者の代表者が一部の人の印鑑を勝手に押していたことが14日、関係者への取材で分かった。契約書に基づき計画を認定した市は同日、今後のトラブルを避けるため、契約書は直筆の署名で作成するよう組合に要請したことを明らかにした。

 問題となっているのは、安田町と深谷町で2014年度に行われた間伐事業で交わされた「森林経営委託契約書」。所有者21人の住所、氏名がパソコンで印字され、印鑑が押されていた。

 代表の男性は福井新聞の取材に対し「一部の印鑑は勝手に押した」と認めたが、「事前に個別の承諾書はもらっていた」と述べ、事業に参画する意思は確認していたとしている。押印した契約書の中の森林所有者一覧については「組合が作って持ってきた。『はんこを押して』と言われ押したが、契約書につける重要なものとは思っていなかった」と主張している。

 一方で、組合は「代表者から押印した契約書が出されており、全員の承諾を得ていると考えて事業を進めている」と説明。市も正式な契約書として計画を認定していた。

 14日開かれた市議会一般質問で前田和宏農林水産部長は「福井森林組合に対して、契約書は直筆の署名など適切に証拠書類を作成することを要請した」と答弁した。

 組合と所有者の間で複数のトラブルが発生していることについては「境界が不明確な森林が増加していることが一因」との認識を示し、本年度から森林境界保全事業に取り組んでいると説明。当初予算に270万円を計上し、衛星利用測位システム(GPS)を使った測量を支援する。

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