77歳の女性です。5年前の夏に椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄(きょうさく)症の手術を受けました。回復してよい状況にありましたが、その冬に無理をして雪かきをして以降、徐々に腰が曲がり、現在は背中に背骨が突き出すようになり腰を伸ばすのが痛いです。屋外では歩行器を使っています。薬を飲み、週1回スポーツジムで体操をしています。腰の曲がりと痛みを少しでも減らしたいのですが、どうすればいいでしょうか。(福井県池田町、女性)

 【お答えします】水野勝則 福井総合病院整形外科部長

■圧迫骨折の有無確認を

 ご質問によれば、雪かきをしてから「徐々に腰が曲がって」きたとのことですので、背骨(脊椎)が「後弯」(後方に向かって弯曲)してきたものと考えます。「背中に背骨が突き出すように」なったとのことから、胸椎の後弯が強くなったか、腰椎の前弯(前方に向かって弯曲)が逆に後弯になったのではないかと考えます。

 原因としては(1)一つ一つの背骨(椎骨)がつぶれた(圧迫骨折)(2)椎骨の変形はないが、脊椎を支える筋肉(傍脊柱筋)が弱くなった-などがあります。雪かきという重労働がきっかけですので、(1)の圧迫骨折を起こした可能性が高そうです。

 まずはレントゲンを撮り、圧迫骨折の有無を確認する必要があります。レントゲンで圧迫骨折を認めた場合、次にMRIを撮ると、圧迫骨折がすでに治っている(陳旧性)のか、まだ治っていない(新鮮もしくは偽関節)のかが判明します。

■偽関節で痛み強い場合は補強も

 陳旧性の場合、後弯の改善はなかなか困難ですが、現在週1回ジムに通っているとのことですので、その運動の中に、傍脊柱筋を鍛える運動や、おなかの筋肉(腹直筋)を伸ばす運動を取り入れることをお勧めします。

 新鮮もしくは偽関節の場合、さらにCTを撮って椎骨の様子を詳しく調べる必要があります。新鮮圧迫骨折の場合、CTでは内部は他の椎骨と同じように見えます。これは時間がたてば治る可能性が高いです。一方、偽関節は内部が肺や胃の中の空気と同じように見えます。時間がたってもなかなか治りません。

 偽関節があり痛みが強い場合には、セメントなどで椎骨を補強する(椎体形成術)ことがあります。最近では、バルーン(風船)を用いて椎骨の形を整えた上で、椎体形成術を行う方法(バルーンカイフォプラスティ)もあります。まずは圧迫骨折の有無をはっきりさせるため、最寄りの整形外科を受診することをお勧めします。

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