紹介している生き物の種類が増えている展示コーナー=福井県敦賀市樫曲の中池見湿地のビジターセンター

 ラムサール条約に登録されている福井県敦賀市樫曲の中池見湿地で、湿地に生息する生き物を紹介するビジターセンターの展示コーナーが充実している。水槽で飼育する魚類や両生類、爬虫類、昆虫などは2年前の15種から倍以上の34種に。このうち環境省や県の絶滅危惧種は8種類いて、身近に観察できる。

 ビジターセンターは、NPO法人中池見ネットが市から委託を受けて管理。昨年4月から生物の飼育を担当する浅利裕太さん(19)は高校時代、部活で魚類を研究していたほどの生き物好きで、来場者に豊かな自然に気軽に触れてほしいと、生物を採取して展示を充実させている。

 コーナーには環境省の選定する絶滅危惧1B類のホトケドジョウをはじめ、絶滅危惧2類のキタノメダカやマルタニシ、準絶滅危惧のアブラボテなどがずらり。両生類は絶滅危惧のアカハライモリなどを飼育する。

 湿地に見立てて水槽内にはコケやシダなどを植栽。希少植物では現在、県内で嶺南でしか見られない絶滅危惧2類のデンジソウも育てている。

 愛情を注ぎ、飼育2年目に入ったニホンヒキガエルは、当初の2、3センチから今では10センチほどに成長。視覚的に分かりやすくと、石こうボードをくりぬいて作ったアリの巣の展示では、ムネアカオオアリの女王アリと働きアリを見ることができる。

 湿地の地下は、世界屈指の約40メートルの厚さの泥炭層が存在。大量の水を含むスポンジのように、湿地の環境を調整し安定させる機能を持っている。約3千種の生き物が生息しているものの、浅利さんは「いざ見つけようとしても、希少種はなかなか発見できない」と話す。一緒に世話をしている竹内英樹さん(58)は「生き物を守るために原則、希少種の生息地は明かしていない。センターに来て中池見の自然の豊かさに触れ、さらに興味を持ってもらえれば」と話している。

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