【越山若水】5月の日本列島は全般に晴れの日が多く降水量も少なめだった。6月に入ってもその傾向は変わらず、梅雨入り宣言したのは5月13日の沖縄・奄美地方だけである▼平年だと九州南部は5月31日、九州北部と四国はきのう5日ごろに梅雨入り。今年の遅れが際立つが、最近の集中豪雨を知る身としてはやや不気味さを覚える▼気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によれば、地球温暖化がこのまま進むと、気温上昇に伴う干ばつのほか豪雨や台風など世界各地で異常気象が顕著になる▼地震や火山噴火の多さで「災害大国」と呼ばれる日本でも、最高気温35度以上の猛暑日や1日の降水量が200ミリを超える日数が明らかに増加。1級河川の洪水リスクは最大4・4倍に高まるという▼「災」の漢字は見ての通り、川の流れをせき止めてあふれる「巛(せん)」と、火事を表す「火」の組み合わせ。つまり慣用句「水火(すいか)の難」のように、洪水と火災が2大災禍となる▼漢字の意味を持ち出すまでもなく、貴い人命を奪う災害の怖さは世界共通である。防止対策に万全を期すのが当然と思うが、そうは考えない人がいる▼地球温暖化対策より、米国の経済と雇用を守る―。トランプ大統領は国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した。「人類の災い」に歯止めをかけようと世界は手を携える。それに冷水を浴びせる判断である。

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