昨年2006年の5月。私は「モンドヴィーノを上映する会」を立ち上げ仲間2人と1週間、メトロ劇場さんで上映しました。地元福井で観たかったからです。ただ、内容がドキュメンタリーなので相当なワイン好きじゃないと難しかったかなというのが本音でした。今年のワイン・シネマは楽しいですよ。多分。

「南仏プロヴァンスの12か月」でプロヴァンスと自分自身を人気者にしたピーター・メイル。彼の最新小説が映画化されました。順化のメトロ劇場さんで10月27日から上映が予定されています。ラッセル・クロウ主演、リドリー・スコット監督と言えば「グラディエーター」ハードな二人が作る予想外のラブ・コメディ。原作ではクリュッグが2回、シャトー・ディケムも登場します。が、出てくるだけで飲んではいません。リドリー・スコット監督は「ブラック・レイン」「ブレードランナー」「ハンニバル」とDVDを買うほど大好きなので楽しみです。

最近の映画の楽しみはストーリーの中にワインを探すこと。結構、いろんな映画に小道具として使われています。最も印象に残る映画が「ローマの休日」。自由を求め大使館を脱走した王女アンを演じるオードリー・ヘップバーンがグレゴリー・ペック扮する一介の新聞記者とキアンティを楽しそうに飲むシーン。永遠の妖精オードリーが誕生したアメリカ映画初主演作でした。しかもワイングラスではなく、タンブラーに注いで。こんなふうに気軽に飲めるのもイタリアの赤ワインの代名詞と呼ばれるキアンティの気取らない味わいがあってこそ。時代の古さを感じさせないワインを粋に飲むお手本です。ただし、映画に出てくる藁苞ボトル。現在では造る職人が減って希少品になりました。

そしてもう1つ、面白い登場の仕方をするのが「007ロシアより愛をこめて」。オリエント急行の中で敵とは知らずに連絡員と食事するジェームズ・ボンド。彼は舌平目を注文し贅沢にもコント・ド・シャンパーニュを合わせますが、連絡員はキアンティ。後で格闘になった時に「魚に赤ワインか。迂闊だった」とロシアのスパイを見破れずに悔しがります。

何を合わせようが人の勝手だからほっといてくれと感じもします。フランスへ行くとメドックのシャトーでは魚であろうがデザートであろうが自分の所で作った赤ワインしか出しません。東京のソムリエに聞いた話でも極甘口で有名なソーテルヌ地方では魚であろうが、肉であろうが、デザートであろうが…(あっ、デザートには合うな)。貴腐ワインが出てきたそうです。それでもそんなに違和感はなかったとのこと。フランス人の力技です。

ともあれ、超ギラギラのボンド役だったショーン・コネリーが主演した「薔薇の名前」などを観ると人間が熟成するのも良いものだと思います。因みに「薔薇の名前」にワインは出てきませんが、ロケ地はドイツの有名作り手であるシュタインベルガーです。

【まだまだ続く! しりとりワード】

ヴィーノ→ノン・ヴィンテージ→淑女のため息→キアンティ→次回は「田舎方式」