84歳の女性です。2014年10月に突然、台所で倒れました。翌年に脳の検査をしたのですが異常はありませんでした。ただ極度の貧血で輸血を受けました。血が漏れていないか胃や腸を検査したところ、問題はなかったのですが、今年に入って再び貧血になり輸血を受けました。現在は増血剤を服用しています。いつ貧血になり、倒れないかと心配です。血液検査の結果を添付します。対策などあれば教えてください。(福井県小浜市)

【お答えします】福井県済生会病院 内科医長 青木剛

■鉄欠乏性、慢性炎症に伴う貧血か

 まず貧血は、平均赤血球容積(MCV)により「小球性貧血」「正球性貧血」「大球性貧血」の三つのタイプに分けられます。小球性貧血の代表的な疾患には鉄欠乏性貧血や慢性炎症に伴う貧血、正球性貧血の代表的なものは腎不全に伴う貧血、大球性貧血には葉酸・ビタミンB12欠乏や甲状腺機能低下症、肝機能障害などがあります。骨髄異形成症候群や再生不良性貧血など、血液疾患による貧血は正球性〜大球性貧血です。

 ご相談者はMCV低値であり小球性貧血です。血清鉄低値であることから、鉄欠乏性貧血、または慢性炎症に伴う貧血と考えられます。

■原因さまざま、特定が重要

 鉄欠乏性貧血の解決には原因解明が重要です。鉄欠乏性貧血の原因には(1)鉄摂取不足(2)鉄需要増加(成長期や妊娠)(3)鉄喪失過剰(消化管出血など慢性出血や月経過多)(4)鉄吸収障害(胃切除やヘリコバクター・ピロリ関連胃炎)―が挙げられます。ご相談者は、胃や腸の検査は済んでいるようですが、もし小腸の出血やヘリコバクター・ピロリ感染を否定できていないようでしたら、これらの検査を考えた方がよいでしょう。また鉄欠乏性貧血以外に原因が隠れている可能性(膠原(こうげん)病や悪性腫瘍などからくる慢性炎症に伴う貧血、腎不全に伴う貧血など)について検討した方がよい場合もあります。

 鉄欠乏性貧血が高度の場合は鉄剤投与による治療が必要となり、まずは鉄剤投与をしっかり受けることが重要です。また食生活を見直し、1日3食規則正しく、栄養素をバランスよくとるように心がけることが大事です。鉄分の豊富な食材にはレバー、牛肉、カツオ、マグロ、アサリ、納豆、ホウレン草、小松菜、ひじきなどがあり、ビタミン類を一緒に摂取すると造血効果が高まるといわれています。

 貧血で倒れる前には必ず立ちくらみや息切れ、動悸(どうき)などといった症状が現れますので、そのような症状が見られたらすぐに主治医に相談すること、そして貧血に関する精密検査を十分に行うことをお勧めします。

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