昨年の九頭竜紅葉まつり。 今年は10月27、28日に 行われる

越前市花筐公園も紅葉の 名所として有名

紅葉は9月頃、北海道から始まり徐々に南下します。桜前線に対して「紅葉前線」と呼んでいます。

気象用語で不連続線のことを「前線」と呼ぶようになってから50年あまりしか経っていません。不連続線が気象学会で発表されたのは、1919年にノルウェーの気象学者、J.ビヤルクネスの「移動性低気圧モデル」という論文です。

この論文では不連続線のことを「指向線」とか「陣風線」(※1)になっています。1928年にスウェーデンの気象学者ベルシェロンの論文にポーラーフロント(polar front ※2)と出てきます。この論文を1950年に日本の荒川秀俊博士が「寒帯前線」と訳して紹介しました。

前置きが長くなりました。本論に戻りましょう。全国の気象台や測候所は生物季節観測をしています。この種目に「イチョウの黄葉日」と「イロハカエデの紅葉日」が含まれています。平年値で見ますと、「イチョウの黄葉日」は帯広(北海道)が10月24日と最も早く、もっとも遅いのは徳島の12月8日となっています。

「イロハカエデの紅葉日」は、松本(長野県)の10月29日で最も早く、遅いのは浜松(静岡県)の12月12日となっています。福井はイチョウの黄葉が11月10日、イロハカエデの紅葉は11月19日です。(※3)

カエデの紅葉は、葉に蓄積した糖が葉中の酸素の働きで「アントシアン」という色素に変化するからです。イチョウの黄葉は色素「カロチノイド」によるものですが、秋になると葉の葉緑素が分解することにより「カロチノイド」が目に付くようになります。カエデと同じく光合成によってできた糖が化学変化をして、見事な色を見せてくれます。

紅葉は最低気温が10度を割る頃から始まり、5~6度を境に急速に進み、紅葉の見ごろになるといわれています。美しい色が出る気象条件は、放射冷却の強い「昼夜の気温差が大きいこと」です。

紅葉の名所は福井県の九頭竜湖や越前市粟田部町の花筐公園、石川県では兼六園といわれています。自然は素晴らしいですね。地球温暖化防止に努め、このように私たちを楽しませてくれる地球を大事にしましょう。

※1 急に激しく吹き起こる風

※2 front(前線)は戦争用語です。第一次世界大戦は兵と兵が対峙して戦い、敵と味方の仕切り線を「前線」と言っていました。暖かい空気と冷たい空気の境目は気温・風向などが極端に変化しますので、この用語を借用した訳です。

※3 北海道の紅葉は観測標本木が代替種(板屋楓など)のため除外しました。また、八丈島は紅葉・黄葉ともに遅いのですが、特に温暖ですから除外しました。