金山助教が開発した気候療法の短縮版プログラムでウオーキングをする参加者=2015年5月、福井県越前市の八ツ杉千年の森

 心身に好ましい気候環境に身を置き、自然の地形を利用した無理のない持久運動などを通して健康増進を図る「気候療法」。自然療法の一つで、ドイツを中心にヨーロッパで行われ、病気予防やメンタルヘルス、メタボ対策などに成果を上げている。この気候療法を県内でも根付かせようと、福井大医学部環境保健学領域の金山ひとみ助教(52)らは体験プログラムを開発し、実践研究を続けている。

 ◆ドイツでは保険適用◆

 気候療法は、空気が清らかで騒音がなく、適度な気温の中、アップダウンのある里山や海岸の地形を生かして持久運動などを行い、より効果的に体力を増強し心身を癒やす。

 主観的に「やや涼しい」と感じる場所で取り組む方が鍛錬効果が高く、副交感神経が優位になることでリラックス効果が得られる。長年の研究の蓄積があるドイツでは健康保険が適用され、従業員の福利厚生として取り入れる企業もあるという。

 ドイツの一般的なプログラムは期間が3週間ほどあり、短期のものでも数日から1週間程度要する。長期にわたると日本では取り組みにくいことから、金山助教は1週間おきに半日ずつ行う計3回で1セットの短縮版プログラムを開発。適切な負荷を掛けたウオーキングや、外気に触れて横になる「外気横臥療法」を取り入れ、2014年から毎年春と秋に、越前市や坂井市で実践している。

 調査の結果、実践後は緊張や疲労、怒り、混乱といった「気分」が改善したほか、皮膚温は適温に変化した。参加を機に運動習慣がつき、体格や血圧、心拍数が改善した参加者もいたという。

関連記事
あわせて読みたい