1997年12月に公開された映画「タイタニック」。豪華客船にはやはり華やかなシャンパンが登場します。冒頭はドンペリだしね。私が感激したのはヒロイン、ローズを演じるケイト・ウィンスレットのムチムチさ加減。あれくらいないと厳しい冬の海で生き残れません。伏線ですね。と、このような細かい演出。レオナルド・ディカプリオ演じるジャックがローズにディナーに招かれる場面。泣かせるジャックの台詞もすごく良いんですけど、ズラリと並んだカトラリーの端に注目。キャヴィアを掬うためのアコヤ貝のスプーンがちょこんと置いてあります。これに最も感動しました。銀食器でキャヴィアを食べると銀が腐食してしまう為、正式な時に使います。見た目はカップのアイスクリームに付いている木の匙ですが・・・。ふふふ、シャンパンとキャヴィア。

 3年前まででした。私の年越しの楽しみ。シャンパンとキャヴィア。大晦日の遅くまで働くのですもの。1年に1回くらい良いでしょうという事で、シャンパン・メーカーが最も力を入れるプレステージ・シャンパン。毎年、銘柄を変えますが、さすがプレステージ。もちろん値段にも力が入ります。キャヴィアをザクッと掬ってシャンパンで流す。「あ~生きてて良かった。」と感じる一瞬です。

 何しろスプーンだってそこいらのスプーンじゃありませんから。パリのキャヴィア屋さんで買ってきたキャヴィア用のスプーン。スプーンの匂いが移って風味を損ねないようにアコヤ貝から作られています。「マザー・オブ・パールで出来たスプーン下さい」と私が言うとキャヴィア屋のオジサンは「オー」とさすが外国人。オーバーに感激してくれました。

 会社の同僚にもプレゼントしようと2本購入したのですが、数千円とかなり高かったので勿体無くなり、今も持ち歩いているバックの中に入っています。キャヴィアも大粒のベルーガを購入。一緒に買い物に行った2人はお金持ちだったのでバンバン、キャヴィアを買い漁り、挙句に店のレジが壊れてしまったほど。店のオジサンはレジが壊れても大喜びで一斗缶くらいの空き缶〔もちろんキャヴィアの〕までお土産にくれました。

 そんな思い出のあるスプーンですが、最近使い道がありません。青い缶に入ったベルーガなんて贅沢は言いません。ナッツのような風味で黄色の缶に入ったオシエトラなんて聞き分けのない事は言いません。せめて小粒で赤い缶に入ったセブリューガでも食べたい。

 現在、カスピ海のチョウザメは激減する一方で養殖に力が入れられています。以前、絶滅したフランスのボルドー地方にあるジロンド河では養殖でチョウザメが蘇っているそうです。

 次回、フランスのボルドーに行く機会があればMy箸ならぬMyキャヴィアスプーンを必ず持って行きます。「よく遠い日本からおいで下さった。何にもございませんがキャヴィアだけは死ぬほどあります。たんとお召し上がり下さい。」という状況が起きるかも知れませんから・・・。   

しりとりコラム、次回はアペリティフです。

【しりとりワード!】

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