福井県越前町の棚田

 農林水産省は23日、2016年度の農地中間管理事業の都道府県別実績を発表した。福井県農地中間管理機構が離農者から借り入れた農地の県内全耕地面積に占める割合と、国から割り当てられた年間目標に対する担い手農家への新規集積面積の割合が、ともに前年度に続き全国1位となった。コメの直接支払い交付金が廃止される18年からの生産調整(減反)見直しを前に事業への理解が深まり、先進事例の横展開が進んだ。

 16年度に県農地中間管理機構が借り入れた農地は計1943ヘクタール。県内の全耕地面積4万500ヘクタールに占める割合は4・8%で、2位の岐阜、滋賀、山口の2・3%を大きく引き離した。

 一方、担い手農家には前年度の積み残し分を含め1956ヘクタールを転貸。このうち652ヘクタールを新たに集積し、国から示された年間目標1600ヘクタールに対する割合は41%となった。前年度の60%は下回ったが、全国平均の13%を大きく上回った。2位は秋田の39%、3位は鳥取の36%だった。

 全国的には低調な進ちょくだが、福井県は集積協力金などの制度が始まった14年度から積極的に事業を推進。14~16年度の3カ年では計5347ヘクタールを借り入れて転貸し、全耕地面積に占める借り入れ面積の割合13・2%と、国の目標に対する新規集積割合42%も、ともに全国1位だ。

 県農地中間管理機構の担当者は「事業を進める中で高齢農家や後継者のいない生産者らの意識が変わってきた。事業に前向きに取り組む市町も増えた」と実感している。

 小浜市では15年度、宮川地区に嶺南初のメガファーム若狭の恵が設立されたのに続き、16年度は松永地区にもメガファーム永耕農産が誕生。ともに営農と農地管理を地域住民で役割分担して農地を守っている。また若狭町、福井市清水地区、越前町朝日地区でも、モデル集落から周辺集落へと事業が広がりを見せている。

 県農地中間管理機構はこの日、事業評価委員会を開き17年度の事業推進策を説明。18年度から農地中間管理機構に預けた農地に限り、農家の負担なく土地改良ができる「新たな基盤整備事業」が始まるのに備えた体制づくりや、各市町の農業委員会に配置された農地利用最適化推進委員との連携強化を図るなど、さらに農地の集積・集約に努めていく。

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