ボトルを隠してワインを飲み、銘柄を当てるゲーム性の高いティスティング。昔はよくやりましたね。

以前、ワイン・バーのカウンターに座ると、あちらの方からとグラスがやってきました。これもブラインドですね。この時はブルゴーニュで非常にエレガントな味わいがしたので、「シャンボール・ミュジニー」と心に浮かんだまま答えたら正解でした。相性の良いワインはこのように当たります。

かなり昔にも一発で当てたのが、やはり「シャンボール・ミュジニー」でした。メチャメチャ驚かれましたね。しかし、こんな事はほとんどありません。ソムリエのコンテストでもピッタリと当たる事は正解を見ると稀です。最終に答えを導くまでの道程が大切なのです。

仲間内でやる場合は答えが判らなくなると最後は人間性が言及されます。「あの人はボルドーの正統派が好きだから」とか「変人だから変わったワインを持ってきている筈」とか「根性が悪いから裏の裏をかいている」とか言われてしまいます。ほっといてくれ。こんな奴らばっかりなのでズルをしようと隙を狙います。

自分で注ぐ場合は、何食わぬ顔をして盲牌ならぬ盲瓶。指先に全神経を集中して、ボルドー型か撫肩のブルゴーニュ型か、ローヌやロワールのレリーフが浮き出ていないか触っています。瓶口が見えていたらキャップシールの色や模様で判ってしまうのでご用心です。

私もこれで4種類のブラインドを正解してゲームの商品をもらった事があります。その節はすいませんでした。ブラインドを厳密にするには、同じ瓶形のものに全て移し変える事が必要です。この他にも主催者も何のワインか判らなくしたダブル・ブラインド。黒いグラスを使ってワインの色も判らなくした完全ブラインドというやり方もあります。ワインの色を見れば赤か白か、またはロゼワインか判りますが、色を隠すとタンニンの弱い赤ワインを白ワインと勘違いする事もあります。

但し、醸造技術が進化した現在では、ワインの味わいも人為的に変えられるようになりました。以前は土地の味が明確に現れブラインド・ティスティングも成り立ったようですが、現在ではプロでも難しくなったようです。「消費者や批評家が望む味であれば、どこでつくられたか、誰がつくったのかは見えなくてもよいのでしょうか」と締めくくり、ティスティング能力が重要であった事を、「ワインの個性」でワイン・ジャーナリストの堀賢一氏が書いています。

それを逆手に取って、有名コンサルタントが係わったワインだけを集めたブラインドをやっても面白いと思います。また、ブラインド・ティスティング会で口の開いたワインの始末をしようとする人もいます。冷蔵庫でデキャンターに移し変えた白ワインを7年間も大事に取って置いたはいいが飲む事も出来ず、かと言って捨てる事も出来ず。これ幸いにデキャンターごとワイン会に持参しました。7年間、色合いは濃い金色を維持し、飲んだ全員が大正解でした。

答えはフランスの五大白ワインの1つ。ブルゴーニュの東、スイスの国境に広がるジュラ地方で作られるヴァン・ジョーヌ〔黄ワイン〕と呼ばれるシャトー・シャロン。

さすが、酸化しようが、酸膜酵母でモコモコになろうがほったらかしにしたワイン。そんなワインを7年間も冷蔵庫に入れておいたのは、そう、この私でございます。

【しりとりワード!】

ヴィーノ→ノン・ヴィンテージ→淑女のため息→キアンティ→田舎方式→キャヴィア→アペリティフ→ブラインド・ティスティング次回はクリスタル

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