黄砂に見舞われた福井市内=2008年 3月3日

シベリア高気圧が弱まり、大陸で低気圧が出来る頃には、南からの空気が日本付近に流れ込み、暖かくなります。このころ風景がおぼろげに見えることがあり、春霞といっています。

気象庁では気温・気圧・風などを観測しますが、視程(見透し)障害現象も観測しています。具体的に何キロ先まで見えるか、視程を悪くしているのは降水・煙・黄砂・空気中の水滴など、時間を追って観測しています。視程は交通機関に影響し、特に航空機の離発着には重要です。視程が悪くなると空港は閉鎖されます。

観測所から水平に見て空気中の水滴のために見透しが1km以下は「霧」。1km以上は「もや」です。「霧」が出ている時の湿度は100%に近く、「もや」は75%以上です。「霞」は霧や「もや」、煙霧、黄砂などを総称しており、正式の気象用語ではありません。

黄砂発生地帯と大気の流れの関係で、黄砂が多いのは南西諸島と九州です。北海道ではたまにしか観測されません。福井の黄砂観測の月別日数平年値は3月0.6日、4月1.7日、5月0.5日です。昨年3月・4月・5月に各2日観測しています。一昨年は4月に6回観測しており、近年黄砂が多く観測されています。東アジアの砂漠域(ゴビ・タクラマカン砂漠など)や黄土地帯の面積が、地球の温暖化や植生破壊などで増えて、大量の黄砂粒子が舞い上がるからだと言われています。西風に流されて日本へ、遠くはカナダやグリーンランドで観測されることもあります。

黄砂粒子は大きさが10マイクロメートル(0.01ミリ)以上は速やかに落下しますが、これより小さな粒子は風に流されて遠くまで運ばれます。気象庁では目視(人の目で見る)観測と測器(サンフォトメータ、エーロゾルライダー、気象衛星など)による観測をしています。これらの資料を基に黄砂予測を発表しています。

黄砂の組成は、石英、長石、雲母、緑泥石、カオリナイト(アルミニウムの含水珪酸塩からなる粘土鉱物)、方解石、石膏、硫酸アンモニウムなどです。黄砂自体はアレルギー物質ではないのですが、汚染物質が付着したときに何らかの相乗効果を及ぼし、呼吸器官への障害や、花粉症、喘息、アトピーなどのアレルギー疾患の悪化が見られます。花見と春霞は風流ですが、黄砂への対策もお忘れにならないように。

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