本堂など5棟が国の重要文化財に指定される瀧谷寺。手前から観音堂、本堂、庫裏=福井県坂井市三国町滝谷1丁目

 国の文化審議会は19日、福井県坂井市三国町滝谷1丁目の瀧谷寺(たきだんじ)(真言宗智山(ちさん)派)の本堂や観音堂など5棟を重要文化財(建造物)に指定するよう松野博一文部科学相に答申した。良好に保存された伽藍(がらん)から、近世の北陸地方の密教系寺院の建築様相を知ることができ、既に指定されている鎮守堂と合わせ、寺院一帯の価値が高く評価された。戦国大名の朝倉氏や柴田勝家、福井藩など歴代領主の祈願所として厚い庇護(ひご)を受けた点も特徴。県内で複数棟が重文指定されるのは珍しく、2008年の大安寺(福井市)、西福寺(敦賀市)に次ぐ3例目。

 県教委などによると、瀧谷寺は1375年、紀州根来寺学頭の睿憲(えいけん)上人が開創した。重文指定されるのは▽本堂(1688年建築)▽観音堂(63年)▽方丈・庫裏(89年)▽開山堂(1572年)▽山門(1698年)―の5棟。室町時代後期に建立された鎮守堂は、中世の建築物が北陸地方に少ないこともあり、1962年に重文指定されたが、今回は主に江戸中期に再興された堂舎が評価された。

 総門、宝蔵や観音堂の厨子(ずし)、鎮守堂の覆屋(おおいや)、拝殿、鳥居の6棟も価値が認められ、重文指定を受けた建造物の付録的な意味合いを持つ「附(つけたり)」に指定される。

 瀧谷寺は、総門をくぐると130メートル余り先に山門を構え、その正面に本堂と観音堂が並ぶ。観音堂の東側に開山堂と鎮守堂があり、本堂西側に方丈・庫裏がある。本堂奥には国名勝の庭園(1929年指定)も配されている。

 本堂内は横3室、前後2列の6室が並び、真言宗寺院にみられる間取りだという。観音堂の広縁上部の梁(はり)に彫り込まれた植物の文様など、華やかな意匠は、福井藩が造成した遺構と共通し、本堂、観音堂、山門は同藩の大工が建てた可能性もあるという。

 同寺は追加指定となるため、県内建造物の重文指定件数は27件のまま。

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