「胎生期―子どもの誕生まで」に ついて書かれたドイツの書籍

春は、一般的には、3月、4月、5月といわれています。キリスト教系の園では、きれいに色がぬられた卵を吊るして兎を飾る「復活祭」を祝うところもあります。これは闇・死から、光・命の甦りをも象徴しているというのです。白く、美しく輝く我らが山・白山にかかわる地域にも、晩秋に行われる死と再生の行事「花祭り」が伝えられてきていました。仏教的世界においても、「命の誕生」はこうした「命の甦り」として捉えられています。

「生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し」とは、かの弘法大師・空海の有名な言葉です。

私たちは、子どもの誕生を当たり前のこととして受け止めがちです。しかし、誕生一つとっても神秘のベールに包まれていて私たちにはわからないことが多いのです。

「子どもができたのですが、胎教ってなんですか? 大事なんですか? どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?」妊娠中のお母さんからは、こうした質問をよく受けます。「クラッシックなどの良い音楽を聞くとよいと言われて、妊娠中、私はよくクラッシックの音楽を聞きました」と言われるも方も少なくありません。そのように、子育ては、すでに親になる前から、あるいは母親の体内に在るときから、既に始まっているのですね。

今日では、0歳では遅すぎる、お腹にいるときからといって、早くに何でもできる子にするためにと、お腹の子に英語で話しかけて、英語などの勉強をお腹の子と始めるというようなことも決して笑い話のなかの出来事ではなくなっているようです。

「胎教」とは一体どういうことなのでしょう?

20年ほど前になるでしょうか。まったく偶然だったのですが、治療教育のある講演録で「胎生学」という言葉に出会いました。そこでは大まかではありますが、子どもの障害の内容は、胎児期のダメージを受ける時期によって違ってくると、その障害の違いについて話された講演内容が記録されていました。それがきっかけになり「胎生学」をきちんと学ぶ機会に出会いたいと思っておりました。

そして、1999年、ドイツから治療教育教員養成所で指導にあたる先生が来日され「胎生学」についての講座が4日間にわたっておこなわれました。

時代的な要請でしょうか。私たちの学びにおいて、医学の観点から観た治療教育が、今、とても必要とされてきています。ですから、それ以来、今日まで、外国からの治療教育家や、医師による治療教育を目的とした「胎生学」の講座がよく開催されるようになりました。

それらの講義の主眼は、一方において、そうした医学的観点に立ちながら、あくまでも一面においては精神的存在である子どもと、どう関わっていくかの具体的な提示なのです。

そうした学びのなかで学ばせていただいたことと、いつか親になる方や実際間近にこれから親になろうとしている方々を重ね合わせながら、子育ての始まりでもあり、その後の子育てへの大きな意味を持つ「胎生期―命の誕生まで」を胎教のあり方を含めながらみていきたいとおもいます。

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