私の誕生日は1月1日。全世界がおめでとうと言ってくれるので非常にお目出度い。

そして誕生日でもあり、その年がスタートする日はシャンパンでお祝いします。それもヴィンテージの入っていないスタンダード・シャンパンではなく、作り手が最も力を入れて作るプレステージものです。毎年、銘柄を変えて楽しんでいますが、今年はハリウッド版「シャルウィダンス?」にも登場していたシャンパンのプレステージを購入しました。夜想曲という名前とアール・ヌーヴォー調の深く美しい紫色のラベルに惹かれたからです。

しかし、例年大晦日まで働いているので、少し疲れたのかシャンパンに負けてしまいました。まだ幼いほどに若くグラスに溢れるパワーに気後れして4分の1ほどでギブアップ。だんだんアルコールに弱くなってきているのも一因でしょう。

ベルエポックやクリュッグ、サロンなど才色兼備なシャンパンを飲みついできましたが、今でもずっと心に残るのがクリスタルです。最近では景気の良い中国やロシア、インドでラグジュアリー・ワインが数多く消費されることや葡萄の価格も高騰しているなど様々な要因でシャンパン全体が高くなり、手に入り難くなっているシャンパンの1つ。

遮光する為にグリーン色のボトルが多いシャンパンの中で透明なボトルは潔く、ゴールドのラベルがリッチです。リッチなのもその筈、ロシアの皇帝アレクサンドル2世が「クリスタルでボトルを作れ」と命令した事から作られたものです。しかも下げた澱を舞い上がらないようにする瓶底の窪みもありません。これは瓶底の窪みに爆弾を仕掛けられるのを防ぐ為です。底がフラットだと量は一緒なんだけど何か得した気がするんですよね。

クリスタルはこのように生い立ちからしてゴージャス。良いな~。皇帝は何でも出来て…。と思いながら高級おせちの数の子から。〔作る時間がないし、誕生日なので奮発して買います。〕この数の子はシャンパンによって合うものと合わないものがあります。シャンパンと出汁が微妙に関係するように思うのですが…。これも研究課題。

そしてよく冷えたクリスタルを一口。一瞬、「あっ」と呆けてしまいました。天使の羽のように軽やかな味わい。アルコール分など感じさせない滑らかさ。それでいてしっかりとしたボディ。感知出来うるギリギリの甘さを残して去って行く儚さ。気が付くと何も食べずに1本、飲んでいました。こんな事は20年以上、ワインを飲んで来て初めて。

それから日付が変わってお正月。完全なKO負け。トイレにうずくまっている私がいました。ガーン。初ゲロ。あーん。もったいない。お正月休みを二日酔いやら3日酔いやらで過ごす私でした。

普通はゲロを吐いた日にゃ~シャンパンそのものを嫌いになる筈ですが、今でも恋しく思うクリスタルです。

【しりとりワード!】

ヴィーノ→ノン・ヴィンテージ→淑女のため息→キアンティ→田舎方式→キャヴィア→アペリティフ→ブラインド・ティスティング→クリスタル