6月24日の本紙「越山若水」に梅雨の過ごし方が記されていて、最後に「物事すべて五感を研ぎ澄ますこと」とありました。五感に心を加えると六根になります。心すなわち思考を働かせて梅雨を考えて見たいと思います。地球は気候によって区分されますが東南アジアは森林気候と言われています。

アメリカの気象学者ソーンスウエイトは降水量と蒸発量の比により4つに分けました。降水量を蒸発量で割って1以上、すなわち蒸発量よりも降水量が多いときは、樹木が育つので「森林気候」。1以下0.5以上は雨が降ったとき水はたまるが蒸発して乾いてしまうので木は育ちにくく、草が生える程度になる「草地気候」。0.5以下0.25以上は、土地は乾き乾燥に強い草しか育たないので「サバンナ気候」。0.25以下は「砂漠」となります。

インド洋に面した国には「モンスーン」と呼ばれる季節風が吹きます。冬は大陸から乾燥した風が吹くので雨は極端に少なく、夏はインド洋から大量の雨がもたらされるので、夏の雨季と同義語に使われています。日本の雨季は梅雨になります。6・7月の降水量は、鹿児島では年間降水量の33%、名古屋では26%、福井は17%となっています。福井の12月から翌年の2月までの降水量は梅雨時期より多く33%です。

理科年表(国立天文台編・丸善発行)には世界200余りと、日本82地点の気候が載っています。これによると世界で年降水量が最も多いのは、三重県尾鷲の3922.4mm、2位は熱帯収束帯(※)のミクロネシアで日本から3000キロ南のパラオ共和国の首都コロールで3735.8mmとなっています。尾鷲の過去最大雨量は驚くなかれ、1954年(昭和29年)の6174.5mmです。

世界の3大穀物は稲、小麦、トウモロコシで、各6億トン生産されており、稲の9割はアジアです。稲は水田で生育出来る唯一の穀物で、連作障害がないので連続して栽培できます。稲を育てるには大量の水が必要なことは言うまでもありません。雨季があって米ができるのです。

米についてうんちくを述べますと、日本は稲、籾、米、飯と4つに区分しています。ベトナム・ラオス・カンボジアは日本と同じく4つの呼び名があります。稲と籾を同じ呼び名にしているのは韓国・中国・インドネシア・ミャンマー・フィリピンで、米国は区分せずすべてRiceです。米の呼び名から、稲作民族の日本人はどこから来たのか、興味をかきたてられます。

平成6年は全国的な干害で国産米が無くなり、タイ米を美味しく食べるにはと苦労したものです。不愉快な梅雨は農作物には貴重な天からの恵みをもたらしてくれるのです。

洞爺湖サミットで地球温暖化対策が議題になるようですが、10年20年先のことではなく、現象はすでに始まっています。早急な対策が求められています。

※熱帯収束帯
太陽からの熱を最も多く受ける赤道付近は上昇気流が強く、大量の雲ができる。上昇気流を補うように北と南から風が流れ込む。貿易風はその一つで地球の大規模な大気循環を支配している。