日本通運の警備部門が管理する現金自動預払機(ATM)から警備員が現金を繰り返し盗んだ巨額窃盗事件で、窃盗罪に問われた福井市、元日本通運警備員の無職前田憲治被告(43)の判決公判が20日、福井地裁であった。入子光臣裁判官は「被害額は合計1億9550万円と極めて多額で、立場を悪用した窃盗の中でも相当に悪質な犯行」として懲役5年(求刑懲役6年)を言い渡した。

 判決理由で入子裁判官は前田被告が、元勤務先の警備部門で技能長としてATMの保守点検の立ち会い業務に従事し「約2年4カ月の間に37回にわたりATMを不正に操作して現金を盗み、発覚を免れるために報告書類を改ざんするなど、自己の立場を悪用した巧妙で手慣れた犯行」と非難。「相当期間の実刑のほかない」とした。

 約260万円が弁償され、さらに約250万円が支払われる見込みだが「被害の大きさから過大視できない」とした。

 判決によると、同被告は昨年4月20日、坂井市内のショッピングセンターに設置された日本通運が管理する北陸労働金庫ATMの保守点検の際に、301万円を盗むなど2013年12月から昨年4月までの間に、県内各地の同金庫ATMから37回、計1億9550万円を盗んだ。

 日本通運は「このたびはお客さまをはじめ、関係者の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。今後は再発防止策の徹底と従業員教育に引き続き取り組んで参ります」とコメント。立ち会い作業については1人から2人体制にするなどマニュアルを見直したほか、犯行発覚を免れるために報告書類偽造などがされており、事務処理手順についても改善し、徹底を図っているという。

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