福井県越前市のまちなかでのイベント案を発表する3年生=20日、同市の仁愛大

金田明彦・仁愛大教授

 学生とともに長年、福井県内のまちづくりに携わってきた仁愛大の金田明彦(きんだ・あきひこ)教授が15日急逝した。この日予定されていた金田研究室の3年生らの公開プレゼンテーションは延期され20日、越前市の同大で開かれた。金田教授は来年退職予定で、研究室の3年生は最後のゼミ生だった。学生たちは悲しみをこらえながら、恩師から学んだ成果を発表した。

 同市のまちなかや大学内の環境・サービスの改善案を考える「企画開発研究b」(3年生後期)の授業を受けた18人が発表した。多くの学生は2年生の前期から企画開発関連の授業を連続して受けており、公開プレゼンはその総仕上げとして毎年行っている。当初は15日に予定されていたが、担当教員の金田教授が14日に学内で倒れ、福井市内の病院に入院したため延期になっていた。

 発表は7グループに分かれ行った。越前市のまちなか関連では、清水明佳さん(21)ら3人が、京町を舞台にした和菓子のイベントを提案。関係機関と開催に向けて協議を進めているとした。

 ほかには、お年寄りが集うまちづくりや武生駅前のマップの提案などがあった。市職員ら外部の関係者も招かれており、その中には金田研究室OBの姿もあった。

 金田教授は長年、研究室の学生らとともに県内各地のまちづくりに携わってきた。鯖江市の「誠市」や越前市の「あじまの万葉まつり」など、学生が中心的役割を果たしているイベントもある。

 昨年8月の人間ドックで食道がんが見つかり、治療を続けていた。妻の和子さん(58)によると14日に入院した後も、電話で他の教員らと授業の引き継ぎなどを話し合っていたが、その日の夜に症状が急変した。和子さんは「プレゼンを見てあげることができず、主人は学生さんに申し訳ないと思っているはず」と故人の心中を思いやった。

 企画開発研究bの授業を受けていたうちの10人は研究室にも所属しており、その悲しみは大きかった。ゼミ生の清水さんは発表を終えた後、「和菓子というテーマは、先生にヒントをもらった。企画したイベントを見てほしかった」と涙ぐんだ。同じくゼミ生の西浦大地さん(21)は「先生は責任は自分が取るからと、いつも学生に自由にやらせてくれた。教わったことを胸に、4年生でもまちづくりやイベントに携わっていきたい」と前を向いた。

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