福井地裁=福井市春山1丁目

 2014年4月、福井市内で女子高生にわいせつな行為をしてけがをさせたとして、強制わいせつ致傷罪に問われた同市の無職、出口和宏被告(23)の裁判員裁判について、15年2月の別の女子高生への強制わいせつ事件の区分審理の部分判決公判が21日、福井地裁であった。入子光臣裁判長は「犯行時期に関する自白の信用性には疑問がある」などとして無罪を言い渡した。

 福井地裁の刑事裁判で無罪判決は16年1月以来。

 起訴状などによると、出口被告は15年2月17日午後7時10分ごろ、県内の駅付近で女子高生に背後から抱きつき、倒れ込んだところを馬乗りになり、胸を触るなどの行為をしたとされ、15年11月に起訴された。

 同被告や弁護側はこれまでの公判で「同様の事件は起こしたが、犯行時期は記憶があいまいなまま供述した。その後、(起訴内容の15年2月ではなく)14年11月だったことを思い出した」などと、他の事件で立件された冤罪として無罪を主張。検察側は14年11月に事件は発生していないと主張していた。

 判決で入子裁判長は「警察官が取り調べで、事実を認めさせようとして説得、誘導を繰り返したため、被告が犯行時期について迎合的に虚偽の供述をしたことが疑われる」などと指摘した。

 また、被害者らが挙げた犯人の特徴は「被告とおおむね一致するが、いずれもごく一般的な特徴で一致する者は多数存在する」とし「犯人と認めるには合理的疑いが残る」とした。

 区分審理は裁判官のみで行われた。同被告の強制わいせつ致傷罪は、3月8日から裁判員裁判で審理。今回の部分判決を踏まえ同13日に判決が下される。

 同被告の清水健史主任弁護士は「一貫して否認しており、無罪判決が出るべき事件だった。安堵している。今後も審理は続くので現時点で具体的なコメントは控えたい」とした。福井地検の相馬博之次席検事は「部分判決の内容を精査し適切に対応したい」とコメントした。福井県警捜査1課は「答える立場にない」としている。

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