死傷者十一人を出した二○○四年八月の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、敦賀署の県警捜査本部は二十六日、業務上過失致死傷の疑いで、関電旧若狭支社(現・原子力事業本部)の機械保修責任者や同原発の機械保修担当者、関電系列子会社の日本アーム(現・日本ネットワークサポート)社員の計六人を書類送検した。

 事故発生から二年半、国内の商業用原発で、同容疑で刑事責任が追及されるのは初めて。ただ当時の支社長ら幹部の責任が問われなかったことに、遺族や反対派から不満の声が出ている。

 書類送検されたのは若狭支社の運営室保修グループチーフマネジャー、美浜発電所の機械保修課長、同課係長、同課作業長、同課配管担当、配管検査業務を請け負っていた日本アームの美浜作業所課長の六容疑者=肩書はいずれも当時。

 捜査本部の調べでは、関電大飯原発1号機で配管が減肉し厚さが国の基準を下回っていることが、事故直前の○四年七月に自主点検で判明。その後の若狭支社の調査で、美浜3号機の破裂配管部分が一九七六年の運転開始以来二十八年間、一度も点検されていなかったことが分かった。

 保修関係を統括する立場にあった元チーフマネジャーは、各原発所長に対して主要配管の未点検個所がないか調査を徹底させるなど明確な指示を出さなかった疑い。元課長は配管の未点検の報告を受けていたにもかかわらず確認をせずに適切な措置を講じなかった疑い。元係長、元作業長、元担当の三人は未点検を確認していたにもかかわらず、配管の余寿命を計算するなどしなかった疑い。

 また元課長は破裂配管が点検リストから漏れていることを知りながら関電への説明をしなかった疑い。

 捜査本部は長年の未点検の間に配管が減肉し、事故を引き起こす予見可能性があったにもかかわらず、放置したことが国内原発史上最悪の事故につながったと判断した。

 関電は同日、書類送検を受け「極めて厳粛に受け止めている。すべての事業活動において安全を最優先にした取り組みを進め、信頼を賜るよう努めていく」などとするコメントを発表した。