野外のコウノトリの巣の下で見つかった割れた卵=25日、福井県越前市菖蒲谷町(福井県提供)

 福井県は25日、同県越前市白山地区にある国の特別天然記念物コウノトリの飼育ケージ内で、コウノトリの割れた卵を見つけたと発表した。ケージの上には同地区に滞在している野外の雌雄の巣があり、この雌が産んだ卵の可能性がある。野外での産卵が確認されれば、県内では1966年の小浜市以来51年ぶりとなる。

 2羽は、2013年に兵庫県朝来市で放鳥された3歳の雄と、11年に同県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)内の人工巣塔で生まれた5歳の雌。雄は昨年3月、雌は同4月に白山地区に飛来した。同11月にいったん同地区を離れた雄が今月に戻って以降、交尾行動や巣に伏せる様子が確認されている。

 福井県自然環境課によると25日午前10時ごろ、県が飼育しているコウノトリ「ゆうきくん」の餌容器の回収でケージに入った県の飼育員が、巣の真下近くで割れた卵を見つけた。殻の大きさなどからコウノトリの卵と判断した。同課の担当者は「他地域の繁殖状況などから、(白山地区の)野外の個体が産んだ可能性が極めて高い」と説明する。現在、巣に他の卵があるかは分かっていない。

 コウノトリは通常、1週間程度の間に2〜5個の卵を1日おきに産む。親鳥が一定時間以上、巣に伏せていれば産卵の可能性が高いとされ、今後は県の飼育員のほか、地元の見守り隊や野鳥の会などの協力も得ながら把握する。県は産卵の有無について郷公園の意見も踏まえて判断する方針。

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