昨年12月に風邪をひき、10分間ほどせきが止まらない状態が続きました。以降、せき、くしゃみをするたびに、右の腰に痛みが走るようになりました。片足を上げたり、腰を深く曲げたりしても痛いです。少し改善してきたように思いますが、ぎっくり腰の一種でしょうか。(福井県永平寺町、30代後半男性)

 【お答えします】山田直樹・福井大医学部救急部助教

 ■亜急性〜慢性のぎっくり腰か

 日常生活や仕事で大変なこととお察しいたします。ところでせきはもう収まりましたか? 慢性的に続くせきがある場合は別の話になります。

 腰痛は持続時間で三つに大別されます。(1)急性(4週未満)(2)亜急性(4週以上〜12週未満)(3)慢性(12週以上)です。また原因別にみると、軽度のけが(腰のねんざや椎間板ヘルニア)が97%と大半を占めます。内臓の病気や背骨や脊髄の感染症、がんなどでも腰痛をきたすことがありますが、とてもまれです。

 もし▽熱がある▽安静時や就寝中でも痛みがある▽体重が減る▽持病がある(がん、ステロイド服用など)—がある場合、詳しく原因を調べるため内科や整形外科の受診をお勧めします。

 相談の方は年齢が30代で亜急性〜慢性でけがの部類に入ると思われます。いわゆるぎっくり腰の一種です。ぎっくり腰は欧米では「魔女の一撃」といわれています。今回のようにせき込みやくしゃみといった軽微なことでも起こることから魔女の仕業と考えられていたようです。

 ■膝の裏側のしびれなど注意を

 右の腰痛に加えて、膝の裏側などにしびれや力の入りにくさが伴うことはありませんか。この場合は椎間板ヘルニア(骨と骨の間のクッションの一部が飛び出すこと)や、脊柱管(背骨の中の脊髄が通る道)が狭いことが原因で、坐骨神経の根元が圧迫されている可能性があります。精密検査と治療のため、整形外科の受診をお勧めします。

 これらがなければ、私生活では過度な安静はかえって逆効果です。適度に動くよう心掛けてください。仕事が重労働の場合は別ですので、かかりつけ医に相談しましょう。自宅ではうつぶせ寝やあぐらは避けるように。ものを持ち上げるときは、腰を曲げるのではなく、膝を曲げて腰を下ろす形にしましょう。

 治療に関してですが、既に慢性化してしまった腰痛には痛み止めの効果はあまり大きくありません。運動療法やリハビリといった薬を使わない方法で、ご自身の生活に合ったものをかかりつけ医と一緒に探していきましょう。

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