福井県丹生郡選挙区選出の島田欽一県議(60)が2015年度に、政務活動費で選挙区の越前町の田中太左ヱ門町議(56)を雇い、同町内の情報収集や資料整理などを行わせていたことが分かった。政活費から支払った給料は15年5月〜16年3月までで計56万3千円に上る。地方議会に詳しい専門家は「公職選挙法が禁じている寄付に抵触する可能性がある」と指摘している。

 公開されている島田県議の雇用契約書によると、雇用期間は15年4月1日〜16年3月31日。業務は政務調査等事務補助となっている。時給は千円で、毎月4万2千〜6万2千円が政活費から人件費として支払われていた。業務は「越前焼の活性化について情報収集」「越前地区漁業者からの要望等の聞き取り」などとなっている。

 県議会政活費のマニュアルは、親族を雇用し人件費を充てることを「政務活動の専門的知識を持つなど特別な理由がある場合に限る」としている。しかし、市町議員の雇用に関する規定はない。

 島田県議は、福井新聞の取材に対し、本年度も田中町議と契約していると説明。「町のことをよく知っている。(県議の仕事を手伝うことで)勉強になっているのではないか」と話している。

 田中町議は6日、公開されている雇用実態や業務は事実とし、町議としての調査業務と重なる部分があることを認めた。「町民にしてみれば、町議の仕事か県議の手伝いかは分からず、税金で2重に報酬を得ていたと受け取られかねない。勉強不足で反省する」と釈明。「今後の判断は島田県議に任せたい」と話した。

 公職選挙法「第一九九条の2」は、公職にあるものは選挙区内にあるものに寄付をしてはならないとしている。


 ■条例違反の恐れ

 政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之神戸学院大教授(憲法学)の話 どう考えても許されないと住民は思うはず。本来、町議は町のことを調べるのが仕事で、税金で報酬を得ている。同じ仕事で県議からさらに給料を得ることを認めてしまうと、違法な寄付がまかり通ってしまう。政務活動費の趣旨からも目的外支出になり、条例違反の恐れがある。

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