定例福井県議会は9、10日の予算決算特別委員会でヤマ場を迎える。焦点は、県が北陸新幹線開業後の目玉施設とする第2恐竜博物館の整備検討事業。中部縦貫自動車道勝山インターチェンジ関連事業との位置付けに、最大会派の県会自民党は「立地場所ありきだ」と異議を唱えるのに対し、理事者は「可能性を調査している段階」と主張する。議論が平行線をたどれば、補正予算案が減額修正された昨年9月県議会、付帯決議の付いた12月県議会に続き、波乱含みの展開となる可能性もある。

 「勝山に整備すると書いてある。私たちの審議は必要ないということだ」。2月28日の産業常任委で、委員長の小寺惣吉議員(県会自民党)は第2恐竜博物館を巡る審議を一方的に打ち切り、予算決算特別委に議論を持ち越すことを宣言した。理事者は何度も発言を求めたが却下した。

 第2恐竜博物館を巡っては県会自民党の執行部が「そもそも箱ものが必要なのか」と反発し、一般質問後の総会でゼロベースで議論することを確認。執行部でもある小寺議員が産業常任委で先陣を切る形となった。

 「マニフェストを重視し、議会を軽視する西川県政への不満の表れ」と、会派内の一人は解説する。これに対し、県幹部は「立地場所ありきで進めているわけではない。丁寧に説明していく」と困惑している。

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 県会自民党執行部の別の一人も、第2恐竜博物館の基本構想・計画が素案にとどまり、詳細プランの提示が3月中旬の定例県議会閉会後になることを問題視。「議論の材料が乏しい。初期投資や維持管理費など、大前提の問題をたださないと、前に進められない」と対決姿勢を強める。

 ただ、会派内には違和感を抱く議員も少なからずいる。「議会として何も調査していないのに、予算案にストップを掛けるのはどうなのか」「特別委員会かワーキンググループをつくって県民目線で熟議し、問題があるなら対案を示すべきでは」。複数の議員は悩ましさを打ち明けた。

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 県会自民党の性急な動きに対し、他会派は慎重だ。

 民進・みらいの糀谷好晃会長は、恐竜ブランドを生かす県のプランが間違っているとは思わないとした上で「民間投資を含め慎重に進めなければならない。理事者の説明を唯々諾々とは受けないが、冷静に着地点を見いだしていきたい」と強調。「感情的に政争の具にするのは福井県のためにならない」と述べる。

 「議論で大切なのは、アミューズメント施設への税金投入がいいのかという視点」と指摘するのは共産党の佐藤正雄議員。昨年9月県議会では、補正予算案のうち「ふるさと納税の全国寄付額1兆円を目指す国民運動」など2事業が県会自民党の主導で削除。厚生常任委を通過した水月湖の年縞(ねんこう)研究展示施設(若狭町)の建築工事費が予算決算特別委で削除され、最終日の本会議で復活するという混乱があっただけに「筋を通して議論しなければ、県民の理解は得られない」と話している。

 ■第2恐竜博物館 西川一誠福井県知事の4期目マニフェストに建設を検討することが示された。アミューズメント機能を充実させる方針で、基本構想・計画の素案には恐竜が生きた時代を再現した常設展示室の整備などの方策が盛り込まれた。県は2017年度当初予算案に民間参画の可能性調査など事業費898万円を計上している。県立恐竜博物館の地元勝山市が、市内への誘致を県に要望している。

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