福井県内市町の避難者受け入れ人数

 東日本大震災から11日で丸6年を迎える中、いまだ200人近くが被災地から福井県内9市町に避難を続けている。避難生活が長期化し、住まいや仕事、病気など一般の県民と変わらない悩みを抱えている。支援者は「地域の一員として支えていく必要がある」と訴える。

 全国で震災に関するいじめが相次いで発覚している。福井県内避難者の中にも小学生12人、中学生9人、高校生2人がいる。9日開かれた福井県議会予算決算特別委員会で、森近悦治県教育長は「いじめについても毎月調査しているが、(大震災以降は)全く確認されていない」と説明した。

 ただ、避難者を支援している「ひとりじゃないよプロジェクト・福井」の世話人代表を務める内山秀樹・仁愛女子短大教授によると、4年ほど前に、福井県内で定住しようと住宅を購入した避難者世帯が子どものいじめが原因で県外に移り、家を手放したケースがあったという。

 内山教授は「他県の事例と同様に震災を理由にからかわれたり、悪口を言われたりしたようだ。現在の避難者の多くが福井で住み続けたいと考えており、よき隣人として関わっていくべきだ」と強調する。

 福井県内避難者90世帯計195人のうち、福島県からの避難者は現在55世帯133人で、人数では全体の68・2%を占めている。福井県によると、このうち3月末に住宅の無償提供が打ち切られるのは、坂井市の市営住宅に入居している1世帯と、5市の民間賃貸に入居している6世帯。いずれも引き続き県内での生活を希望しており、坂井市の1世帯は4月以降、別の公営住宅に移るという。

 「新たに民間の賃貸住宅に移ろうとしても、高齢だと収入が限られ、連帯保証人が見つからないなど苦労が大きい。以前は交流会などで避難者同士のコミュニティーづくりを図っていたが、現在は個別の困り事の対応が中心になっている」と内山教授。県内避難者の中には生活や健康に問題を抱えた人が少なくないという。

 震災を機に仙台市から福井県あわら市に来た50代男性は、移住後に脳梗塞を患い、ひとりじゃないよプロジェクト・福井などの支援で、生活保護や介護サービスを受けている。昨年再入院したが、ケアマネジャーが体調の異変に気付き、重症化する前に対応できたという。内山教授は「福祉、医療関係者との連携はでき始めている。民間だけの支援には限界がある。避難者ができるだけ自立できるよう、情報を共有して公的な支援につなげたい」と話している。

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