農地転用が認められた時点の太陽光発電施設の整備状況。農地地目上にも施設が建設されている=2014年10月31日、福井市菖蒲谷町

 福井市菖蒲谷町にある太陽光発電施設用地の一部が農地の違反転用と指摘された問題に絡み、同施設の西側で2年前に整備された別の太陽光発電施設用地の一部が、建設以降に農地からの地目変更が認められていたことが10日、分かった。

 問題の施設では、建設前に許可を取らなかったため、農地法に照らして違反転用とされている。施工業者や住民側は「同様の手続きで認められないのはおかしい」と、農地の地目変更を事実上判断する立場にある市農業委員会の対応を批判。一方、同委事務局は2年前に整備された用地も違反転用だった可能性があるとの認識を示し、当時の判断に疑問を呈している。

 建設後に地目変更が認められた太陽光発電施設は、違反転用が指摘された用地から農道を挟んだ西側にある。施設用地は約7万平方メートル。2014年9月に着工し、15年3月までにおおむね完成した。登記簿によると農地からの地目変更は14年10月31日付で、建設途中の状態だった。当時の状況について同委は「設備が農地地目上にあれば、転用は認められない」と違反との認識を示している。

 業者らによると着工前の14年7月、当時の同委と地権者らで協議して地目変更の手順を決定。申請時期について福井地方法務局に確認したところ「太陽光発電所に利用されると判断できるまで工事を先行してから申請を」と指導されたという。

 今回、違反転用を指摘された用地を含む施設の用地は約1万5千平方メートル。昨年5月に着工、9月に完成した。8月に地目変更申請したところ、同委の回答がない異例の状態が続いていたため、法務局の要請でいったん取り下げた。今年1月、同委が違反転用として地権者に対して農地への復元指導を行った。

 同委の石川行芳事務局長は「農地法に照らすと認められない。転用前の確認が必要」との姿勢を崩さない。一方、「過去にさかのぼって検討はしない」として、以前の用地については復元指導などは行わない考え。問題となっている用地内でも農地への復元は困難で「(許可権者である)県と市農委で協議したい」としている。

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