文化審議会(石沢良昭会長)は十六日、福井市にある国の特別史跡・一乗谷朝倉氏遺跡から出土した輸入陶磁器や生活用具、火縄銃の弾丸など遺物二千三百四十三点を重要文化財に指定するよう伊吹文明文部科学相に答申した。戦国時代の武士や職人、庶民の生活の全体像を知る上で貴重な資料群で、同時代の遺跡の出土物の一括指定は国内初。

 同遺跡は、戦国大名朝倉氏が五代百年以上にわたって支配した城下町跡。一九六七年に県が本格発掘調査を開始、七一年には山城跡を含む一帯二百七十八ヘクタールが特別史跡に指定された。戦国時代の都市全体が初めてほぼ完全な姿で発掘され、百六十万点を超える遺物が出土している。

 今回答申された遺物は、六八年から九四年にかけて館、武家屋敷、町屋、寺院跡などから出土し、調査報告書に掲載された約八千点の中から選定した。

 内訳は土器・土製品千二百四十六点、金属製品四百五十六点、木製品二百六十七点、木簡・墨書木製品百八十四点、石製品百四十四点、漆器二十八点、骨角製品十二点、布の切れ端二点、ガラス製品、炭化米、墨、和紙の断片が各一点。当時の世相や人々の暮らしぶりが分かるなど、史跡や庭園を含めた遺跡全体の中での学術的価値が評価された。

 主な遺物は、火縄銃の弾丸を城下町の職人が作っていたことを裏付ける材料、寺院跡から出土し戦国時代の遺跡では全国で二例目の茶せん、当時から国際交易が活発に行われていたことが分かるベネチアガラスの細工や中国製の大皿など。越前焼も二百十点ある。

 答申を受け、六月にも官報に告示、正式指定となる。同遺跡を含めた新指定の文化財は四月二十四日から五月六日まで東京国立博物館で公開されるほか、朝倉氏遺跡資料館は、指定記念の特別展「技〜出土遺物に見る中世手工芸の世界〜」を七月二十日から九月九日まで展示室で開く。

 県内の国指定文化財は国宝を含め百六十四件となる。考古資料では永平寺町鳴鹿山鹿遺跡で出土した縄文草創期の石器群、若狭町の鳥浜貝塚出土品に続き三例目。国内の中世の都市遺跡から出土した遺物の一括指定は、ほかに広島県の草戸千軒町遺跡がある。

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