北陸新幹線を巡る動き

 北陸新幹線敦賀以西ルートが15日、新大阪まで全て決定した。しかしルート問題が決着しても、すぐに着工できるわけではない。2兆1千億円と試算される肝心の財源は未定で、建設費を負担する関西の調整も難航が予想される。福井県が強く要望している2031年春の北海道新幹線札幌開業より早い全線開業にはクリアすべき課題が多い。

 国土交通省の想定通りなら、敦賀以西は札幌開業後に着工し、完成は46年春になる。福井県は、国費の増額や貸付料(JRが開業後30年間支払う新幹線施設使用料)の算定期間延長などで財源を確保して早期に着工し、工期を10年に短縮するよう県内政財界一体となって政府・与党に引き続き要望していく構えだ。

 県議会北陸新幹線整備促進議員連盟会長の山本文雄議員はルート確定を喜びつつ「これからは財源確保に取り組み、早期開業につなげなくてはいけない」と気を引き締める。「関西での機運をもっと高める必要がある」とし「京都、大阪府議会などへの働き掛けを強めたい」と意気込む。

 「北陸新幹線が優良な路線であることは金沢開業で実証された。全線開業の時期が早ければ早いほど、経済効果は高まる」。こう指摘するのは福井商工会議所の宮崎和彦専務理事。早期延伸の要望活動と同時に、全線開業を見据え県内の受け皿整備を着実に進めることが重要と話した。

 小浜・京都ルートの早期開業を求める福井県小浜市の松崎晃治市長は「駅やルートの詳細調査に速やかに着手し、建設財源を確保して札幌開業より早い全線開業を実現してほしい」とのコメントを出した。

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 建設費負担を巡る関西の調整も課題だ。

 関西2府6県などでつくる関西広域連合は13年、滋賀県の米原駅で東海道新幹線とつなぐ米原ルートの実現を前提に建設費は「関西全体で解決を図る」ことに合意した。

 京都府は小浜・京都ルートでも合意に沿った建設費の負担を求めている。山田啓二知事は13日の与党検討委員会で京都府京田辺市に設置される新駅について「大阪府に隣接し、広い波及効果がある」と強調。「便益に見合った負担をお願いしたい」と述べた。

 一方で大阪府空港・広域インフラ課の担当者は「レールの長さに応じて負担する現行ルールが基本」とのスタンス。関西広域連合の合意については「小浜・京都ルートに決まった段階で白紙に戻った」とする。

 関西広域連合計画課の担当者は「連合内でもいろんな意見があり、交通整理が今後必要」とし、合意の取り扱いなどについてあらためて議論する考えだ。

 こうした問題を福井県の西川一誠知事は憂慮し、関西の費用負担をクリアにするため、早く意思統一するよう求めている。県は13日の与党検討委で金沢—新大阪間の地元負担は福井県の2200億円に対し、京都府が1600億円で大阪府は1千億円とする独自試算を提示。「沿線の中で人口や財政規模の最も小さい福井県が、相当の負担をしてきた。関西でも負担について早急に決定してほしい」と訴えた。

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