越前さかなまつりで人気を博した漁船乗船体験=2016年9月、福井県越前町の越前漁港

 福井県越前町遊漁船業組合は今春から、観光客向けの遊覧航行を始める。これまでは釣り客のみの乗船に限られていたが、釣りをしない一般客層を獲得し、観光客の増加につなげる狙い。観光関係者は「新たな魅力創出につながる」と期待している。

 同組合は、町内の20船主が所属。重量約4〜14トンの小型船が主で、釣り客を乗せて航行する「遊漁船」として運営してきた。

 釣り客は単価が高い一方で、5〜6時間沖に出るため船主の拘束時間が長い。町観光連盟は、船主の空き時間の有効活用策として、遊覧航行を同組合に提案。旅客船事業のうち「人を運送する内航不定期航路事業」として中部運輸局福井運輸支局に申請し、昨年9月20日に許可を得た。

 遊覧コースは、越前岬沖合約10キロを往復する。各船が係留する漁港を発着点に、同町血ケ平付近まで約1時間かけてゆっくりと周遊。船からは、高台に白くそびえる越前岬灯台や高さ15メートル、幅30メートルの洞穴、呼鳥門などが見ることができ、越前海岸の風景を存分に楽しめる。

 昨年9月、同町で開かれた「越前さかなまつり」では、催しの一つとして体験航行を実施。3隻が運行し、全15回とも満員になる盛況ぶりだった。

 塩治善一組合長(59)は「海から見る越前海岸は一段と美しく、乗船客も感動していた。春先はイルカの群れに遭遇することもあるので、見どころをたくさん紹介したい」と話していた。

 本格的な事業開始に向けて、同組合と町観光連盟が乗船金額や受付時間など詳しい内容ついて協議を重ねていく。

関連記事
あわせて読みたい