炭素繊維複合材料の部材で中間対傾構を増設した現場を見学する参加者=14日、福井県あわら市清間の清間橋

 炭素繊維複合材料(CFRP)を用いた橋の補強技術開発を目指す「次世代橋梁部材事業化研究会」(会長=舘石和雄・名古屋大大学院教授)は、試作したCFRP部材を使った道路橋への国内初の試験施工と実証試験に取り組んでいる。14日には、実験をしている福井県あわら市清間の清間橋で現場見学会が開かれ、参加者は施工された部材の取り付け状況を確認した。今後は2021年度の実用化を目指し、補強効果の確認や長期耐久性を検証していく。

 同研究会は福井県内企業をはじめ、名古屋大、東京大、東レ(本社東京)、県など計41の企業や団体で15年7月に設立。五つのワーキンググループでCFRPによる橋の長寿命化や維持管理費を低減する技術の開発などを進めている。

 福井県によると、CFRP部材は従来の鋼材に比べて重さが約4分の1と軽量で、部材を運ぶ人手が少なくて済む。製造費用は割高になるものの、さびないため修繕費用が軽減されるなどのメリットがあるという。

 今回の実験では、橋の主桁間をつないで主桁にかかる荷重を分散する「対傾構(たいけいこう)」に、CFRPを用いた。橋の端にある端(たん)対傾構の一部をCFRP部材に取り換えたほか、CFRP部材を使った中間対傾構を増設した。今月上旬に施工し、今後は車両による荷重をかけて補強効果を確認したり、光ファイバーセンサーを使ったひずみの測定に取り組んだりする。端対傾構の部材は今月末で元の鋼材に取り換えるが、中間対傾構の部材は当面、増設したままにして長期耐久性を確認する。

 現場見学には、同研究会に所属する企業の社員ら約20人が参加。施工した日光産業(福井市)の担当者から説明を受けた。

 県によると、長さ15メートル以上の橋で修繕が必要な橋は全国で約6万8千橋あり、このうち約5%でCFRP部材を適用できる可能性があるという。新年度以降は実験結果を踏まえ、事業化に向けた研究をさらに進める考え。県は「対傾構だけでなく、橋のほかの部材にもCFRPが使えるよう研究していきたい」と話している。

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