「七人の侍」メンバーが再生したたんす。伝統工芸の技が随所に生かされている=17日、福井市の西武福井店

修復前のたんす

 福井県内7伝統工芸の職人でつくるグループ「七人の侍」が、家庭で使わなくなった家具や食器、調理用品を、各職人の技を結集して修復するプロジェクトに乗り出した。その名も「福井7人のリメイク侍」。第1弾の作品となる再生した古たんす「7人チェスト」が完成し17日、福井市の西武福井店で披露した。メンバーは「思い出の品など古い物にはそれぞれ味がある。われわれの技術で命を吹き込み、新しいライフスタイルを提案したい」と意気込み、今後は広く修復の注文や相談に応じていく。

 七人の侍は▽越前和紙▽越前漆器▽若狭めのう細工—など国の伝統的工芸品指定を受けている各産地の職人で2014年に結成。県内外の百貨店などで展示会を行っているほか、フランス料理シェフやファッションデザイナーら外部監修者との新商品開発も進めている。伝統工芸産業の後継者不足が課題となる中、技術一本で事業展開できる「修復」に着目。新たなビジネスモデルにしようと「リメイク侍」の取り組みを始めた。

 お披露目した「7人チェスト」は、もともと越前市の民家で廃棄される予定だった横51センチ、奥行き36センチ、高さ60センチの古だんす。七人の侍メンバーで越前箪笥(たんす)職人の山口祐弘さん(41)が持ち主から譲り受けたという。

 傷みがひどかったたんすに丁寧にかんなをかけ表面をきれいにした後、全体に漆を施し基礎部分を修復。上部の引き戸に越前和紙、中段の引き出しは越前漆器と若狭塗、下段の引き出しにはアクセントとして越前打刃物、越前焼、若狭めのう細工、眼鏡枠製造の技術を使った模様をあしらった。「東京五輪」を統一コンセプトに、エンブレムに用いられている市松模様をふんだんに取り入れた。7人が力を合わせ、4カ月かけようやく完成した。

 お披露目会にはメンバー4人が出席。七人の侍の発起人で鯖江市の眼鏡資材商社に勤める熊本雄馬さん(38)は「新商品開発だけでなく、職人の確かな技術を生かした新たなビジネスモデルをつくっていきたい。日本人が古来大事にしてきた『もったいない』の心も後押しできたら」と話していた。チェストは今月中、同店本館3階のエリアモードに展示する予定。

 修復の注文や相談を広く受け付けている。問い合わせは同館6階の食器売り場「福井WAZABI」=電話0776(28)8261。

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