福井県小浜市議会は21日、市議に交付されている政務活動費(政活費)の透明性を高めるため、現行の前払い制(事前交付)から後払い制(報告後交付)に変更する条例改正案を可決した。後払い制は県内議会で初めて。併せて領収書原本の提出や、不正な申請に対して返還命令できる規定も条例で明文化した。

 不適切な政活費の使い方が全国の地方議会で問題となっていることを受けた議会改革の一環。この日の市議会本会議で、市議会提案の条例改正案を全会一致で可決した。4月1日に施行する。

 同市議会では現在、議員1人当たり年額24万円(月額2万円)の政活費を4月に一括交付している。条例改正後は調査研究費や要請・陳情活動の旅費、広報費などを市議が仮払いし、翌年度の4月末までに収支報告書を議長に提出。市議会事務局や議長らの審査を経て、5月中に上限24万円で交付する。

 また、収支報告書に添付する領収書は、現行では「領収書または当該支出の事実を証明する書類の写し」と規定していたのを、原則「領収書」に限定して原本の提出を義務づける。虚偽報告などの不正が認められた場合、議長が市長に報告して返還命令を出せる条文も、新たに盛り込んだ。

 議会運営委員長として条例改正案を提案した富永芳夫市議は取材に対し「不正が発覚した議会では、前払い制で『使い切らなければならない』という意識が背景にあったのではないか。市民からみて透明性を高めるために後払い制にした」と説明した。

 同市議会は2008年度に政活費を月額4万円から同2万円に減額したほか、09年度分からは県内で初めて収支報告書や領収書をホームページで公開している。市議会事務局によると15年度は428万円の政活費を交付し、残余金65万5675円が返還された。

 同市議会の下中雅之議長は「政活費は税金で賄われていると議員一人一人が認識することが重要。議会に対する信頼性を高める改革を、今後も進めていきたい」と話している。

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