殺害現場付近とみられる浄土寺川の一本橋に手向けられた花束=2015年3月20日、福井県勝山市村岡町浄土寺

 福井県勝山市で2015年3月、赤トンボの研究をしていた東邦大(千葉県)の大学院生菅原みわさん=当時(25)=が絞殺された事件で、菅原さんの遺族が22日までに、殺害した元福井大大学院特命准教授の前園泰徳受刑者(44)に計1億2223万円の損害賠償を求めて千葉地裁に提訴した。

 前園受刑者は15年4月、教え子の菅原さんを殺害したとして殺人罪で起訴されたが、福井地裁の裁判員裁判の判決では嘱託殺人罪が適用され同9月、懲役3年6月(求刑懲役13年)が言い渡された。福井地検、被告とも控訴せず判決が確定した。

 代理人弁護士によると、遺族は嘱託殺人罪の認定に「全く納得していない」という。民事裁判について弁護士は「被害者の殺害嘱託はなく、単純殺人罪が成立することを主張立証していく。真実が明らかになるよう願っている」としている。

 福井地裁の刑事判決では、前園受刑者は15年3月12日、勝山市内に止めた車内で、菅原さんから「もう無理です」「もう殺してください」などと真意に基づく殺害の嘱託を受け、首を腕で絞めて窒息死させたとした。

 これに対し今回の訴状では、「嘱託を裏付ける証拠が無い。被告は秘密裏にしていた不倫関係が公になれば、地位や名誉、家族を失うのでないかと恐れた。被告に被害者を殺害する動機があった」などと主張しており、民事裁判でも再び嘱託の有無が争点になるとみられる。

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