児童に脳卒中の早期発見を呼び掛ける早瀬睦医師=21日、福井県あわら市芦原小

 日本人の死因第4位にある脳卒中は早期発見、早期治療が最も大切とされる。福井県内は3世代同居・近居や共働き率が高く、小中高生ら「孫世代」と脳卒中発症年齢の高齢者は時間を共にする時間が多い。福井赤十字病院(福井市)はこの点に注目し、今春から児童・生徒に早期発見のポイントを伝える出前授業の取り組みを始めた。

 脳卒中は血管が詰まる脳梗塞と血管が破れる脳出血、血管の動脈瘤が破裂して起こるくも膜下出血の総称。がんや心臓病と並ぶ日本人の主要死因の一つで、一命を取り留めても後遺症が残りやすく、発症直後の治療が極めて重要。

 脳梗塞には有効な血栓溶解薬があるが、4時間半以内に投与しなければならない。血栓を取り除くカテーテル治療も8時間以内に行う必要がある。同病院によると、8時間以内にこれらの治療を受けている患者は全体の1割程度。24時間患者を受け入れる「脳卒中ケアユニット(SCU)」など体制は整っているのに早期発見・治療の啓発が十分行き届いてない状況にあることから“孫世代”の協力を得ようと、全国でも珍しい出前授業を計画した。

 同病院脳神経外科部長の早瀬睦医師が講師となり、初の出前授業が21日、あわら市芦原小の5年生約50人に行われた。早瀬医師は▽顔の片側が下がりゆがむ(顔面まひ)▽片腕に力が入らない▽言葉が出ず、ろれつが回らない—など脳卒中が疑われる症状を紹介。「脳卒中になると8人に1人は亡くなる。おじいちゃんやおばあちゃんらの様子がおかしい、と思ったらすぐに病院に運んでもらうことが大切」と呼び掛けた。

 迷惑をかけたくないという気持ちから、病院に行くことや救急車を呼ぶことをためらってしまう人もいるとし、児童たちから積極的に病院に行くよう声をかけることを促した。授業を聞いた児童は「家族にへんだなと思うところがあったらすぐに救急車を呼びたい。きょう習ったことを周りにも伝えたい」と話していた。

 次回の出前授業は鯖江市で検討している。また県内小中高からの開催希望も受け付けている。問い合わせは同病院=電話0776(36)3630。

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