近世の日本美術を代表する福井ゆかりの絵師、岩佐又兵衛と俵屋宗達の二人の創作の力にスポットを当てた福井市立郷土歴史博物館の特別展「岩佐又兵衛と俵屋宗達〜出光美術館コレクション〜」(同博物館、福井新聞社主催)が二十四日始まった。繊細で華やかな名作の数々が美術ファンの目を引きつけている。

 東洋美術では国内有数といわれる東京の出光美術館から館蔵品三十三点を借り受け、五月六日まで前後期二回に分けて展示する。前期展には重文級三点を含む絵画や書、十六点が出品された。福井初公開の作品も多い。

 中でも注目は宗達作の重文「西行物語絵巻・第二巻」。同美術館にとって初の館外展示となる秘蔵品で、発注者が福井藩家老、本多富正だったなどの縁から特別に貸し出された。又兵衛作では、福井滞在時に描いたとされる名作「伊勢物語図」(重要美術品)のほか、「耕作図屏風(びょうぶ)」(同)など六曲一双の大作が並ぶ。

 開会式では東村新一副市長や福井新聞社の吉田哲也社長が「福井城下の博物館で先人の優れた作品を見ることで誇りを深め、当時の文化水準の高さを感じてもらいたい」とあいさつ。奈良一機館長らとテープカットし、約四十日間の幕を開けた。

 貴重な作品を一目見ようと、初日から大勢の人が来館。柔らかな描線で人の姿、表情を生き生きと描き上げ「浮世絵の祖」とも言われた又兵衛と、金箔(きんぱく)を駆使した華やかさで十七世紀の京でひときわ人気を集めた宗達の二人の作風がにじみ出る作品の数々に、引き込まれたように眺めていた。

 午前九時から午後七時まで。問い合わせは同博物館=電話0776(21)0489。

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