福井工大福井―仙台育英 8回福井工大福井2死満塁、島谷元貴が2点適時打を放ち再び同点とする=23日、甲子園球場

 【選抜高校野球1回戦・福井工大福井6—4仙台育英】昨年のセンバツでマスクをかぶった男が甲子園に戻ってきた。2—4の八回、2死満塁。福井工大福井の島谷元貴は「絶対打つという気持ちで集中して打席に入った」と追い込まれながらも変化球を左前へ運び、流れを引き寄せる貴重な同点打。一塁上で安堵の表情をみせた。

 新チームになり、もともと抱えていた右肘の痛みに苦しんだ。昨秋の北信越大会前は、塁間もまともに投げられないほど悪化し、ベンチ入りはならなかった。その間、大上真人が台頭し、スタメンの座を確固たるものに。大上の活躍に「自分はまたスタメンに戻れるのか…」と仲間に弱気な気持ちを漏らしたこともあった。それでも「絶対に取り返す」との一心で冬場、練習に打ち込んだ。

 そして再びつかんだスタメンの座。同点適時打に加え、盗塁を一つ阻止する好プレーをみせた。試合後「(昨秋は)悔しくて。辛抱強く練習してきてよかった」。うっすらと涙を浮かべた。

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