X JAPANとの活動や公開中の映画について語る津田直士さん=東京都内

 カリスマ的ロックバンドX JAPANの歩みを追い、国際的に高い評価を得ているドキュメンタリー映画「WE ARE X」が公開中だ。本作には福井ゆかりの音楽プロデューサー津田直士さん(55)が出演し、X JAPANの本質やメンバーの人間性に関してコメントしている。バンドをメジャーデビューに導き、活動を支えた“戦友”。「ハリウッド制作でクオリティーが高い。テーマの生と死、そしてそこから見えてくる大事なメッセージが伝わってくる。彼らを知らない人も見てほしい」と話す。

 津田さんは両親が福井県小浜市出身。東京で生まれ、小学6年のころに福井市へ。高志高1年時に横浜市の高校に移った。早稲田大時代はプロキーボーディストとして精力的に活動。卒業後はCBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社し、エレファントカシマシら当時の新人アーティストの発掘を担当した。

 「100年残るアーティストを見つけ出し、世に送り出すと決めて業界に入った。すると3年後に100年残るメロディーを作れるYOSHIKIと出会えた」。メジャーデビューアルバム、セカンドアルバムなどの制作に携わった。当初の目標だった100万枚セールスを達成し、1992年の東京ドーム公演までを共に駆け抜けた。

 「メンバーとは目に見えない線が一本つながっている感じだった」と振り返る。「クラシックの素養が生かされた美しいメロディー、奇抜なルックス、豊かな声。ジャンルの壁を超えた完全なオリジナルだった」。当時から海外進出を目指しており、世界的に人気を集める現在の状況は「夢のよう」だという。

 映画は、米マディソン・スクエア・ガーデン公演に挑む日々とYOSHIKIさんのモノローグを中心に、バンドの壮絶な歴史と新たな活動の躍動を伝える。ボーカルToshlさんの“洗脳騒動”や、メンバーの不慮の死などにも切り込む。

 津田さんは約1年半前にスティーヴン・キジャック監督から3時間半にわたってインタビューを受けた。映画では内容に沿って、メンバーに関する五つのエピソードと彼らへの思いが披露されている。

 映画は世界で20以上の映画祭に出品され、米サンダンス映画祭最優秀編集賞、SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)映画祭デザイン部門観客賞を受賞した。「たった96分の中にX JAPANというバンドとYOSHIKIという人間の大事な部分が詰まっている。単なる音楽モノやバンド物語というくくりではなく、一つの完成された映画として見てほしい」

 福井県内では鯖江市の鯖江アレックスシネマで上映している。

 ■津田直士(つだ・なおし)

 1961年生まれ。音楽プロデューサー、作曲家。小学4年のころにバッハの曲を聴いて音楽に目覚め、中学2年のころから作曲を始める。昨年、音楽ユニット「TsudaMia」を結成。今春からソニー・ミュージック所属のアーティストとして活動する。著書は「すべての始まり〜エックスという青春〜」。

 ■X JAPAN

 YOSHIKIさん、Toshlさんを中心に1982年に結成。89年にメジャーデビュー。97年に解散したが、2007年再結成。「ビジュアル系」の先駆けとされ、作品の総売り上げ数3千万枚以上。14年に米マディソン・スクエア・ガーデン公演、今年3月には英ウェンブリー・アリーナ公演を行い、アジア人初となる欧米ロックの殿堂制覇を果たした。代表曲に「紅」「Forever Love」など。

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