高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分を取り消す抗告審決定が出た直後、「不当決定」などと書かれた垂れ幕を掲げる滋賀県住民ら=28日午後3時6分、大阪高裁前

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた昨年3月の大津地裁の仮処分決定を不服とし、関電が申し立てた抗告審で、大阪高裁(山下郁夫裁判長)は28日、再稼働を認める決定を出した。大津地裁決定から1年以上、法的に運転できない状態だった2基について、関電は早期に再稼働への手続きを進めるとみられる。

 敗訴した滋賀県住民らは決定直後、大阪高裁前で「不当決定」と書かれた垂れ幕を掲げた。今後は、憲法違反や憲法解釈の誤りなどを理由にした「特別抗告」か、重要な判例違反などを理由にした「許可抗告」を最高裁に申し立てるか検討する。抗告しない場合は本訴で争う可能性もあるという。

 今回の決定を受けて関電は再稼働に向けた手続きを進めるとみられるが、運転停止の長期化も予想され、2016年8月に4号機、同9月に3号機の核燃料を取り出しているため、実際の稼働にはまだ時間がかかるとみられる。

 運転差し止め仮処分は滋賀県住民29人が2015年1月に申し立て、大津地裁(山本善彦裁判長)が昨年3月9日に運転差し止めを命じる決定を出した。全国で初めて稼働中の原発が法的に運転できない状態となり、関電は翌10日に営業運転中だった3号機を停止。福井県内で稼働する原発は再びゼロとなっている。

 同地裁の仮処分決定に対し、関電は異議を申し立てたが、7月に退けられ、「科学的、専門的知見を踏まえた客観的な判断が行われていない」などとして昨年7月、仮処分決定を取り消すよう大阪高裁に保全抗告を申し立てた。住民側は「基準地震動や津波の評価は不合理。住民の避難計画は不十分で、住民の安全が確保されていない」などと主張。昨年12月26日までに双方が主張書面を提出、審理を終結していた。

 高浜原発3、4号機については福井地裁(樋口英明裁判長)でも15年4月、再稼働を認めない仮処分決定が出されたが、同12月の同地裁での異議審(林潤裁判長)では一転、再稼働を認めた。決定を受けて3号機は16年1月29日に、4号機は同2月26日に相次いで再稼働した(同29日のトラブルで運転を停止)が、大津地裁の仮処分判断で再び運転が差し止められた。

 仮処分は、通常の訴訟は時間がかかることから、判決が出るまで当事者の権利を守る目的で行う暫定的な手続き。


 再稼働差し止め仮処分 仮処分は、通常の訴訟は時間がかかることから、判決が出るまで当事者の権利を守る目的で行う暫定的な手続き。今回の高浜原発3、4号については、福井県に隣接する滋賀県の住民29人が2015年1月、大津地裁に申し立てた。決定の効力はすぐ発揮するため、昨年3月9日の大津地裁決定で、営業運転中だった3号機は翌10日に運転を停止した。

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