愛発地区の住民が改名を求めているJR新疋田駅=29日、福井県敦賀市疋田

 福井県敦賀市の愛発(あらち)地区区長会は29日、JR北陸線「新疋田駅」の「愛発駅」への改名を求める嘆願書と9割近くの地区住民の署名を、渕上隆信市長に手渡した。愛発小中学校が廃校となり、歴史ある愛発の名前の存在感が薄れる中で、「愛の出発」地点として全国にアピールしたい考え。市はJR西日本金沢支社に要望する方針。

 駅改名の要望は、2005年の市議会で取り上げられるなど10年以上前からあった。市長と地元住民との語る会でも声が出ていたという。

 愛発は8世紀、日本古代関所の一つ「愛発の関」があったと伝わる地。江戸後期には敦賀湊から運河があり、近くには遺跡「疋田舟川」の歴史を紹介する展示休憩施設「愛発舟川の里」も整備されている。

 歴史ある愛発の名前を全国にアピールしようと、今年2月から署名活動を続けてきた。11区の住民578人と地区出身者90人の計668人の署名が集まった。578人は地区住民の87・9%。

 愛発地区の区長11人が敦賀市役所を訪れ、地区区長会副会長の長谷川進さん(72)が渕上市長に署名などを手渡した。渕上市長は「地区民の総意をしっかりと受け止めたい。愛発地区が発展する上でよい考え。JRに要望していきたい。地区として今後も市民理解が得られるよう活動してほしい」と話した。

 長谷川さんは「愛発は人口減少に拍車がかかっている。新疋田駅は有名だが、“愛が出発する駅”として、さらに全国から大勢の人に来てもらって、地区に活力が出てくれれば」と話している。

 新疋田駅は1957年10月、近江塩津経由の現在の北陸線ができたときに開業。駅名は、旧北陸線(柳ケ瀬線・現在は廃線)の疋田駅にちなんだ。中京、関西からの多くの特急が行き交い、全国の鉄道ファンの間では撮影の聖地とされている。ログハウス風の駅舎内には鉄道写真が所狭しと飾られている。

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